第十一話 『白と黒の象徴』 前編
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ロングヘアーに茶色い瞳、紫色のワンピースを着た女がバルコニーの部屋の中にいた。男の腕の中に、ルーシィが姫抱っこ状態になっていた。隣にはソフィアが立っていたが、俺の眼中には入っていなかった。
シ「ルイカ王女!!」
レ「あなたは『アディール城』の騎士ね。あら、結構かっこいいじゃない♪」
俺は腰に差してある剣を抜くと、刃先を男と女に向けた。
シ「お前等は誰だ。ルイカ王女に何をしたっ!!」
リ「落ち着きたまえ。ルイカ王女はただ寝ているだけだ。そして、僕はリドリー・ピアスンと申します。」
レ「私はレイチェル・マルティー・『イドゥーレ城』の王、オルフェス様に仕える者です。」
オルフェス・・・その名を聞いたとたん、更に怒りが込み上げてきた。
リ「もう少し君と話をしたいが、生憎用は全て済んだのでね。僕たちはこれで失礼するよ。」
レ「後、ルイカ王女と『白の象徴』は頂いていくわね♪」
ウィンクするレイチェルの手の中には、白く光り輝く『白の象徴』が握られていた。俺はそれを見て確信した。
シ「・・お前等・・・ただのオルフェスに仕えてる者じゃねぇな。」
睨みつけながら言うと、リドリーの右眉毛がピクッと上に上がり、レイチェルが一瞬だけ目を少し見開いた。が、すぐに顔が元通りになると、
リ「おや、なかなか勘の鋭い少年だね。」
レ「あなた、名前は?」
リドリーは感心し、レイチェルは名前を聞いてきた。ていうか、名前?俺はシトロンしか分からなかった。隣にいるソーヤに目で訴えると、ソーヤが口パクで名前を教えてくれた。俺は視線をリドリーとレイチェルに戻すと、
シ「俺はシトロン・ファメイル!偉大なる『アディール城』の『白騎士』だっ!!」
俺が名乗ると、リドリーとレイチェルは目を見開いた。が、またすぐに顔が元通りになると、
リ「ほぉ。君が『白騎士』か。」
レ「こんなどこにでもいるような少年だったとは、思ってもみなかったわ。」
・・それは褒めてるのか?すると、リドリーとレイチェルはルーシィと『白の象徴』を手にしたまま、バルコニーの手すりの上に立ち上がった。
シ「お、おい、何するつもりだ・・・」
俺が動揺しているのが分かったのか、リドリーとレイチェルは「ふっ。」と鼻で笑うと・・・手すりから飛び下りた。ルーシィと『白の象徴』を手にしたまま・・・
シ「!!?」
俺はすぐさまバルコニーに出て、下を見る。が、下にはリドリーたちの姿はなかった。
リ『『イドゥーレ城』でお会いしよう。『白騎士』よ。』
レ『私達に勝つまで、ルイカ王女と『|白の象徴《ホワイトシンボル
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