〜幕間〜 いたずらと甘いモノと
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、シロップを垂らす。材料足りなくてプチパンケーキみたいになったが。
「へぇ、見たこともない甘味ね」
「ええ、幽州のとある店の限定商品なので」
実はホットケーキは店での隠しメニューになっていたりする。店長が条件を設定していて、それを越えた人にしか食べさせないとか。
星と雛里、牡丹くらいしか食べているのを見たことがないが。俺は味の確認と銘打って何度も食べているのは当然内緒だ。
「えぇ!? 私食べたことない!」
「私もです。雛里ちゃんは……あるみたいだね」
「あわわ……」
「華琳様! この男の作った物など危険です!」
「そう、桂花。ではあなたが一番に食べてみなさい」
びくりとしてこちらを睨む荀ケ。俺が何をした。ちくしょうめ、食べて驚け!
曹操に言われては仕方なかったのか恐る恐る口に入れた――
「ふわぁ……」
――瞬間、顔が明るくなる。こいつ堕ちたな、ホットケーキの魔力に。
「桂花? 感想を述べなさい」
「っ! その……この世のものとは思えない……おいしさでした」
店長の特殊材料は現代のホットケーキの数倍のおいしさを出せるからなぁ。
「……では私達も頂きましょう」
そう言って行儀よく切り分け口に運ぶ。雛里はすでにもふもふと幸せそうに食べていた。
朱里も桃香も口に入れた。
「「「っ!!」」」
その表情は驚愕、桃香と朱里も堕ちたな。曹操は最初こそ止まったが無言で食べ進めている。
それから全員が食べ終わるのを待つこと幾分。
「ごちそうさま。徐晃?」
何でしょうかね。ダメだしならどんとこいだ。店長みたく作れるわけがないので少しへたってしまったし……
「なんでしょう?」
「これの作り方を教えなさい」
「教えられません」
そんな曹操の命令を即答、拒絶する。
「……何故かしら?」
「友の店の限定商品なので広まると被害がでますから」
「なら内密に作るだけならいい、と?」
「それでもできません」
「へぇ……」
言葉と共に強烈な殺気が漏れてちくちくと肌を突き刺す。あまりの様子に朱里と雛里は震えてしまっていた。
「ちょっとあんた! 華琳様がおっしゃっているのに何よ!」
口ではそう言っているが自分ももっと食べたいという期待の色が透けて見えているぞ荀ケ。
「というか無理なんです」
「は?」
「作り方は分かります、しかし材料が特殊でして、それは友しか知りませんし教えてくれないでしょう」
事実だ。あの店長しかこの膨らし粉の作り方は知らないし、他の材料についてもどうしたらここまでおいしくなるのか分からないのだから。
「その店の名は?」
「超高級料理飯店『娘娘』、の支店の『娘仲』です。」
朱里と桃香がびっくりしている。支店でもかなり高いからなあそこは。曹操は店の名前を耳に挟んだ事がある
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