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乱世の確率事象改変
覇王との対面
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伐のために今は私に力を貸しなさい。あなたたちだけで黄巾を殲滅しきれるわけではないでしょう。民達の犠牲を抑えるために、一刻も早く暴徒を鎮圧してしまうことこそが大事なのだから」
「……確かにその通りですね。よろしくお願いします。でも一つ聞かせてください。私たちにとっては利点ばかりですが、曹操さんにとって私たちに協力してくれる利点はなんですか?」
 へぇ、緩いばかりかと思えば、存外強かなのね。
「あなたはどう思うのかしら?」
「へ? うーん、どういうことでしょう」
「ふふ、あなたが考え、見つけた解が答えになるでしょう。この先を生き抜くためにも、いろいろなことを考えなさい、劉備」
 これは教育。自分の解を見つけ出すことが出来るかどうかの。初めから土台があったわけではないのなら、思考訓練を積まなければ成長などできはしない。
 なにより、自身で見つけてこそ、自身で捻り出してこそ初めて周りも生かす事が出来るのだから。
「では協力するということで決定ね。軍同士の連携や方策、必要な事柄は互いの軍師達に話し合わせなさい」
「わ、わかりました。あと曹操さん、協力してくれてありがとうございます」
 可愛げがあるわね。自分の手で好敵手を育てるというのも悪くない。願わくば、担がれる程度の存在で止まってくれるな。
「構わないわ。それじゃあ劉備。邪魔したわね。春蘭、秋蘭いくわよ」
「「御意」」
 乱世に楽しみが増えた。きっと私の覇道を彩る華となってくれることでしょう。
 たった一つ気がかりなのはあの男。義勇軍の中でどこかおかしい。まあいい、これからいくらでも見る時間があるのだから。



 曹操が去ると久しぶりに息を吸ったような感覚に陥る。
 あれが乱世の奸雄、曹孟徳か。
 他者を圧倒する覇気、広く深い知性、鋭い洞察、高い志、揺るがない心。
 一度だけ目が合ったが、まさに圧倒されたとはそのことだろう。なんとか耐えれはしたが、あの探るような目、少し気を付けないとな。
「凄い人だったなぁ、曹操さん」
 桃香はまだ曹操の気に当てられてかほけーっとしている。
「協力を申し出ていただけてよかったです。これで私たちが名を上げやすくなりました」
「手柄を横取りされるようなことはないのか?」
「な、ないとおもいましゅ。信賞必罰を謳われている方ですので」
「誇りをもったものを好み、才あるものを愛する方だと聞きますし」
 皆、口々に曹操について語る。なるほど、きっと俺たちの軍に目をかけてくれるだろう。
 それにしてもまさかこんなに早くに会えるとは思わなかった。案の条女の子だったがそこはもうつっこまないからな。
 しかし曹操の理想はどんなのだろう。桃香には理想を聞いてはいたが否定も肯定もしなかった。
 一度聞いてみたいものだ。出来れば直接。徐晃が仕え
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