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乱世の確率事象改変
長い乱世の入り口に
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気出すのだ!」
「ありがとう、鈴々。そうだな、元気を出して――」
 ふいに視界の端に捉えたモノを理解し、残りの団子を手に取り走り出す。鈴々も楽しそうについてくる。
「――あれから逃げよう」
「了解なっのだー!」
 たまにはこんな風にサボって息を抜くのも悪くない。ちょっとだけだからさ。



 桃香からお呼びがあって今日の会議の事、俺たちのこれからの事を聞いた。桃香は朱里と雛里と共にある程度話し合ってくれたらしい。
 ある程度の原案が決まり、それを伝えるために愛紗は俺たちを追いかけてきた、と。
 悪いことをしたな。後で俺には長いお説教が待ってることだろう。
「白蓮は本当にいい奴だな」
「そうですね。いつかこの恩をしっかり返しましょう」
「倍返しなのだー!」
「いいね鈴々ちゃん。いつかそうしよう!」
 俺の言葉を皮切りに皆の間にゆるい雰囲気が流れはじめる。
「しかし、これから先の詳細ですが、私は少し納得しかねます。敵を選ぶなど」
 だが愛紗が厳しい表情で本筋にちゃんと戻してくれる。それに……本当に嫌な役を引き受けてくれる。
「はわわ。しかし私たちの予算と武装と糧食では敵と戦い続けるだけではすぐに限界を迎えてしまいます」
「義勇兵が増える可能性も考えて物資は敵から鹵獲、もしくはその地の豪族等からの支援、それらに頼りながら進んでいくのが一番だと思われます」
「とりあえず倒すじゃだめなんだなー」
「お腹がすいて動けなかったり、装備が足りな過ぎても被害が厳しいからね」
「名を上げるためには敗走する危険も避けなければいけませんし」
「卑怯かもしれませんが私たちはこの機に大きくなるしかないですから。慢心や油断は一番の敵でしょうし」
 愛紗の一言のおかげで皆、問題点にしっかり理解をおけるのだから。
「承知した。武しか示せるものがないが……って秋斗殿? 黙っていますが、どうしたのです?」
 不思議そうに皆のやり取りを見守っていた俺に声がかけられる。確認は済んだだろうからもういい頃合いだろう。張りつめすぎるなよ、愛紗。

「いやなに、愛紗は本当にいい女だなと思ってな」
 しばしの沈黙。
「な、いきなり何を言うのです秋斗殿! そういうのは星にでも言っておけばいいことで――」
「秋斗さんが愛紗ちゃんを口説いた……? 雛里ちゃんや朱里ちゃんじゃなくて?」
「? 今のでどうして愛紗はいい女なのだ?」
「……」
「……」
 あれ? 和やかに和気藹々! になるはずだったんだが。
 愛紗はこちらを見ず説教しはじめ、鈴々はわかってない。朱里は怖いし雛里は不機嫌になった。
 とりあえず桃香さんの勘違いに弁解を。
「桃香。俺は別にその二人を口説いたこともないが……」
「じゃあ愛紗ちゃんは口説いたんだぁ!」
 ひゃーと声
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