初めてのフリーライフ
第4話
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翌日も同じ時間位に部屋を訪ね、ノックをする。
「はい」
今日は返事をもらえた。部屋に入る前に昨日と同じく大剣を作って姿を隠す。
「……どうして姿を隠すんですか?」
「姿が見えない方が、言い難いことも言い易いと思ってね。さて、昨日はよく考えてみたかい?これからどうするかを」
「……分からないんです」
「何がだい?僕に答えられることなら答えよう」
「何故、貴方はここまでしてくれるんですか?」
「それは僕が元教会関係者で変わり者だからとしか答えられないね。汝、汝が隣人を愛せ。この隣人とは何処までなのかが人にとって違う。家族?友人?同じ宗教の人?昨日も言ったけど僕は罪を償おうとしない犯罪者と僕を殺そうと襲いかかってくる者以外は隣人だと思っている。神は試練しか与えてくれないけど、僕らは手の届く範囲で救いを与えることも出来る。それは素晴らしいことだと思っている」
「それなのに悪魔になるんですか?」
「悪魔であろうと関係ないよ。公私を分ければ問題無い。契約は契約、奉仕は奉仕」
「祈ることも出来なくなるのに?」
「祈ることは出来るさ。激痛付きだけどね。それ位は試練として受け入れるさ」
「やっぱり変です」
「自分でも自覚してるよ。まあ5歳から軟禁生活だったんでね。何処かズレてしまってるんだよ」
「……軟禁生活ですか?」
「そう。神器が変質してね。元は魔剣創造、あらゆる属性の魔剣を作れる能力だったんだけど無限の剣製と言う名前をつけた物に変わってね。あらゆる剣を作れる様になった上に、概念の付与まで出来る様になってしまったんだ。その力を天界の勢力の強化のために軟禁されていてね。毎日剣を作って神父としての勉強をして、寝る前に無限の剣製の研究をして。ある程度成長したらエクソシストとしての修行も始めて、高位のエクソシストと一緒にはぐれを狩ったりしていたんだ。まあ、あまり人と関わらない生活だったね。そして、とある概念の剣を作ったことで天使様達に危険視されて殺されそうになったから逃亡したんだ。それが出来るだけの力があったから。そして1年程逃亡生活を続けて今はここに居る」
「……苦労してたんですね」
「逃亡生活の最後の方以外は苦労していないよ。苦労と認識出来ていなかったからね」
「すみません」
「謝られる様なことじゃないさ。他に聞きたいことはあるかい?」
「……どうして悪魔になろうと思ったんですか?」
「……淋しくなったんだ。だから、信用出来そうな相手だったら堕天使でも良かった。一人になるには相当な覚悟が居る。何か信念が無ければ、耐えられない」
「……信念」
「今日はこの位にしておこうか。何か考えたいことがあるようだしね。明日もこれ位の時間に来るよ
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