TOKYO CONNECTION
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わね」
「うん」
俺はその言葉に頷いた。
「まあ仕方がないよ。ここは食べて楽しく忘れようよ」
「そうね」
彼女はそれに頷いた。そして運ばれてきたパスタを口に入れた。俺も同時にそれを口に入れた。
「おや」
俺はそれを食べた後で思わず一言漏らした。
「どう、美味しいでしょ」
彼女は俺の顔を見てそう声をかけてきた。
「うん、かなり」
俺は素直にそれを認めた。
「このフェットチーネかなりいいね」
「そうでしょ。ここのお店とにかくパスタが美味しいのよ」
「そうなんだ」
「他にも食べるでしょ。色々あるわよ」
「お勧めは何かな」
「そうね」
彼女は俺にそう問われて考え込んだ。そして暫くして話した。
「ラザニアかしら。あとペンネ」
「ああ、マカロニか」
「少し違うわ。大きくてペン先みたいなのになってるのよ」
「マカロニにも色々あるんだ」
これは正直いって意外なことだった。
「そうよ、それを食べ比べてみても面白いわよ。どうする?」
「どうすると言われても」
それは返答に困る言葉であった。俺は何といっていいかわからなかった。
「君に任せるよ」
「そう」
彼女は頷いた。そして注文をした。
「まずはね」
色々と運ばれてきた。俺はそれを食べながら彼女と話をしていた。その間にも雨は降り止まずそれどころか強くなっていく一方だった。
「止まないわね」
「そうだね」
予想していたこととはいえこれには参ってきた。俺は少し嫌気がさした顔になっていただろう。
「どうするの、これから」
「これから」
「そうよ。出る?そしてホテルに行く?」
彼女は俺の顔を覗き込んでそう尋ねてきた。俺はそれを受けて少し考え込んだ。
「そうだね」
ここで俺はペンネを食べ終えた。そして水を手に取ろうとした。しかし水はもうなかった。
「ないのか」
これは心の中で呟いた。そしてここでふと気が変わった。
「ここで暫くいないかい」
「ここで?」
「ああ。どうせ明日も暇なんでしょ」
「ええ」
明日は俺のマンションで二人でいる予定だった。何をするわけでもなく二人で色々と話をして時間を過ごすつもりだったのだ。それも一種のデートだ。
「だったらいいんじゃないかな。どうせ外に出ても雨だし」
「そうね」
「飲まないかい。時間はあるし」
「車はどうするの?」
「どうにでもなるさ」
俺はぶっきらぼうにそう答えた。
「酔いが醒めて日曜にでも取りに来ればそれでいいよ」
「そうなの」
「ああ。お店の人には言ってね。それでいいだろう」
「貴方がそう言うのならね」
彼女はそれで納得した。そしてウ
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