第156話 殺人犯
[5/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
っ!!
****************************************************************************************
午後8時。私とユモはステージの陰にいる。目の前には白い布がかけられたテーブルに座っているミヤベ王とミズキ女王、ミハル王女とミヤビ王子。ミハル王女は一番豪華なイスに座っている。
司「大変長らくお待たせしました。それでは、今夜の主役、ミハル王女に乾杯を。」
黒いスーツを着た司会者が言うと、傍にいたソムリエがミハル王女たちのグラスにワインを注ぐ。ミハル王女たちはワインの入ったグラスを持ってイスから立ち上がる。
司「それではミハル王女、お願いします。」
ミハル王女はグラスを掲げると、
ミハ「乾杯!」
客全「乾ぱーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいっ!!!!!」
その時、船の明かりが消えた。船内は真っ暗な闇の世界になった。
客1「な、何だ何だぁっ!?」
客2「停電かっ!?」
客3「キャアアアアアアアアアアッ!!」
ガシャン!ガッシャアン!とワインの入ったグラスやご馳走がのったお皿が次々に割れる音が船内に響き渡る。
司「み、みみ皆さん!おおお落ち着いて下さぁ〜いっ!!」
司会者が落ち着かせようとするけど、その声は客の悲鳴に掻き消されちゃった。ていうか、司会者も全然落ち着いてないじゃない!
ユ「ルーシィ!!」
暗闇でも、ユモが陰から飛び出したのが見えた。そうだっ!ミハル王女が危ないっ!私も慌てて飛び出した。でも、ミハル王女どこぉ〜!!さっきまでは分かっていたのに〜!!その時、すぐ近くでガキィィィン!!と鋭い音が響いた。ま、まさか・・・!
ル「ミハル王女!!」
私が叫んだのとほぼ同時に、船内の明かりが点いた。私の目の前には、
ル「え・・・?」
白い布がかけられたテーブルはひっくり返っていて、その近くで腰を抜かしているミヤベ王。その隣でミヤビ王子を庇うようにしゃがみ込んでいるミズキ女王。その近くで、口元に手を当てて目を見開いているミハル王女。前には、ミハル王女を守るようにして立ち、両手を顔の前に翳して氷を出したユモ。その氷には銀色に光る短剣が・・・その短剣を持っているのは、ワインレッドの髪の毛に緑色の瞳、ピシッと格好よくタキシードを着こなした男の人・・・
ル「カ、カイト・・・」
さっき私を助けてくれたカイトだった。カイトは目を見開いて、
カ「き、君は、さっきの・・・」
たぶんユモの事を言ってるんだと思う。するとユモは、ドレスを着ていると言うのに後ろ回
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ