過去編
挿話集
聖燗幻夜@
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「はい!任せてください!」
フィールドの地図データにアクセスする事や索敵スキルより広域高性能な索敵能力を持つユイはその余りにチートな能力故、普段の狩りでは攻撃パターンの解析やスイッチのタイミングを合わせるタイマー代わりなど、パーティーリーダーを補助するような役割をしているが、事情が事情だ。
今回ばかりはその能力をフルに使わせてもらう。
―――この日、平均踏破時間が1時間である迷宮区を僅か20分で踏破し、先行した大ギルドを軒並み追い抜いた3人組がほんの少し話題になった。
21層ボスに挑む人数は2レイド98人で挑む事となった。内分けは大ギルド3つからそれぞれ3パーティーずつ、中小ギルドのパーティーが2つ、種族パーティー(シルフ、ケットシー)が2つ、そして俺達7人だ。
それはそうと、
「何か睨まれてねぇ?俺ら」
「まあ……仕方無いだろ?」
最近は融和が進んできているとはいえ、ALO古参組とSAOカムバック組には結構な確執がある。
アインクラッド拡張に併せて実装された《ソードスキル》という必殺技に習熟しているだけでなく、何より気に食わないのは『新顔のクセにやたら強い』という事かもしれない。カムバック組が増えてきた頃は絡んで行った古参組が返り討ちに遭うという光景がよく見られたものだ。
その他色々あるが、挙げて行くとキリがない。
「……ったくよぉ」
再興した《風林火山》のギルドマスターとしてそこら辺の摩擦を上手く捌かなければならないクラインは面倒臭そうに頭を掻いていた。
と、そこへ
「はーい、みんなー。レイド入れて貰えたよ。私達は2団でサクヤさん達のシルフ隊と1括りね」
レイドリーダーと交渉していたアスナが戻ってきて自分達の配置と現在知られているボスの情報を通達していった。ボスは《The Nicolaus Mira》杖の武器を持ち、主に魔法による攻撃を行う。
……何ともまあ、クリスマスチックなボスだ。マニアック過ぎて分かっているヤツが居なさそうだが。
「ちょっと!レイ君、聞いてる!?」
「うん、聞いてる。ユーミルってマニアックなボス考えるよな」
「……エギルさん」
「あいよ」
ゴンッ!!
「ぐぉ……」
何故だ……。
SAO、ALOでフロアボスを含め、幾度となくダンジョンのボスと戦ったが、その中でもこのボスは異様だった。いや、むしろ…………
『メリークリスマス、妖精の戦士達よ。私の名は―――ニコラウス』
完全な人形。天井に届きそうな身長と、緋色の水晶が填まった木製の杖を人間の手で握っている。鉤爪や触手諸々は生えていない。
極めつけはその格好。真っ赤なマントと帽子、革
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ