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乱世の確率事象改変
改変者の胎動と鳳凰の鼓動
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感情が湧きあがって来て思わず罵倒を叩きつけてしまう。
 村の女を犯していた賊が目に移り、背後から気付く前に突き抜く。女の身体に崩れ落ちるが引きはがし、蹴り飛ばしてから私を追いかける兵に後の事を任せた。
 子供を嬲っていた賊を見つけてもう一度足を踏み下ろす前に太腿から斬ってやった。醜い絶叫が上がるが喉を突き刺してそれを止める。
 民家から物を盗んできた賊が出て来たので頭を飛ばす。声を発する間もなく地に倒れ、手に抱えていたモノが甲高い金属音を虚しく響かせた。
 進む度に賊たちはたまにまとまって抵抗するが、それすら兵達が四方から囲みこみ殺しきる。
 進行、進軍、進撃。
 辺りを確認しながら村の道々を進んで行くがそこかしこに民が倒れ伏していた。
 無残、としかどんな時も表現しようがない。生きている民は少なく、幸せに溢れていたはずのモノは何一つとして無いのだから。
 生気を失った瞳でうずくまる子供や女、老人、男。ピクリとも動かない屍の数々。
 無限と湧いて出てくる怒りを獣達にぶつけ、進撃を続ける。
 どれだけ屠っても、斬っても、突いても、殺しても……やはり心は昏く、深く沈んで行き、晴れ渡る事などありはしない。
 幾分進んだ頃にやっと広い所に辿り着いた。ここが言われていた分岐点、中央だ。殲滅を最優先にしていたので少し手間取ってしまったか。

 ふいに大きな黒い影が踊っているのが見える。
 どうやら村の中央広場に先についた秋斗殿が戦っているようだ。
 彼も無事に辿り着いた事に安堵し、意識をそちらに向け……息を飲む。
 叩き潰された肉が大地に転がり、そこにあるのは血と肉片の残骸だらけ。いくらなんでも普通の戦場ではこのような事態になりはしない。
 剣閃が日輪の輝きに煌いたかと思うと三人同時に真っ二つになり、腰からズレて落ちた上半身の頭をさらに踏み砕いていた。
 敵が一人近づくが蹴りで吹き飛ばされ、動けなくなった賊は彼の兵幾人かの槍で突き殺される。
 次に放つ縦一閃で、人が真っ二つに割れた。
 その次の横一閃で、脚が数本民家の壁まで千切れ飛ぶ。
 これだけ死んでいるのに、殺されているというのに、愚かしい事に賊は彼に対して蜜を見つけた蟻のように群がっていく。
 その光景をただ眺めている私には目もくれずに。
 恐怖が逃げることを拒絶させているのだ、と瞬時に悟る。獣は死を恐れると敵に向かうという。虎は圧倒的な力の持ち主に対してその恐怖から牙を剥く。
 あるいは、彼の無慈悲な行い、あまりに暴力的な存在感から同じように殺されたくないという気持ちからか。
 慌てて離れた賊が大声で仲間を呼ぶも、愛紗との試合で見せる高速移動によってあっさりと近づかれて殺され、やってきた仲間もすぐさま叩き伏せられる。
 ああいう人ははじめての戦場では狂気に堕ち
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