第四十四話 少年期【27】
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またちきゅうやか何かで影響を受けたのかしら、と思いながら……ふと気づいた。
ほうきにのっている女の子たち…って。えっ、複数?
アリシアと似た髪色を持つ、メェーちゃんことメリニス。優しい蜂蜜色の髪で、ほんわかした見た目を持つ。図書室にいることが多く、知識を得ることが好きな文学少女である。先生が図書室の時間に、彼女の図書カードを見て思ったこと。『簡単にできる呪術法』、『地面に埋まって痩せるダイエット』etc. 先生、実はかなりハラハラしている。
『春休みで学校がお休みのため、リトスといっしょにミッドの図書館へ行きました。お休みですので、わたしたちと同じ年れいの子どもや何人もの大人の人が本を読んでいました』
「メリニスちゃんとリトス君は、相変わらず読書が好きね」
『そこで、以前オリエンテーションでお会いした先ぱいと出会いました。今回は時間があって、お話しする機会ができてたいへんうれしかったです。先ぱいはとても物知りで、すごくきれいな人でした。わたしもあんな風になりたいと思いました』
「あら、憧れの先輩ができたのね」
さすがの達筆とほんわかした文章に、先生は癒された。
『でも、先ぱいがお茶にドボドボとおさとうを入れていることにはおどろきました。どうやらおさとうはいつも自さんしているらしく、あまとう会とよばれる会の会長でもあるそうです。あまいものは頭の回転にいいと教えてもらいました。わたしもがんばります』
「え、ちょっと待って。待って、なんか待って」
ものすごく心当たりがある先輩さんに、先生は冷や汗が流れた。
無表情、無口ながら意外に色々やらかしている、少年Eことリトス。召喚魔法の希少技術と繊細な魔法技術を持っている少年である。アルヴィンたちは全く気づいていない、というか気にしていないが、魔法の技術に関しては、クラ校でもトップクラスだった。入学当初は、その才能から遠巻きにされないかと先生は心配をしていたが、現在は魔法よりそのマイペースさをなんとかしようよ、と心配している。
『メリニスといっしょに、なかよくなった先ぱいと話をしました。先ぱいは多くのことを知っていて、勉強になりました。なので、ぼくはアルヴィンから聞いて、ずっと気になっていたことを先ぱいにしつ問しました。どうしてミッドには、ほうきで空をとぶ人がいないのかを聞きました』
「ん?」
『先ぱいは、ほうきで空をとぶことに首をかしげていました。さいしょは、「ほうきは空をとぶものじゃなくて、ただのそうじ用具だからとばないのよ」と教えてもらいました。だけどその時、ぼくたちの後ろで本を読んでいた先ぱいと同じ年ぐらいの女の子が、いきなりおこりました。のろいとか、よくわからないことを言っていたけど、手にほうきのデバイスを持ちながら、「ほうきをなめるな
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