第四章
桐山霧夜の思考は捻り捩れて螺切れる。
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
何を基準にしますか?
俺は無難に「タイトル」で選ぶ。――選考基準は「おおよそ有能ではなさそうな主人公が有能の手を借りず、ゴリ押しで無理難題をやってのける話であること」。
……まあ実際そんなピンポイントな本は全然ない。
惜しいのもあるにはあるが、何故か有能とのセットなのである。全然大判狂わせてない。
それなのに「お前……そんなことできるのか」とか「お偉いさんはお前を見る目がねえのな」とかとか言ってると、もはや笑えてくる。そんなの設定詐欺じゃんかよ。面白くないよ。
第一みんなのために頑張る無能って時点で破綻してるだろ。
とにかく俺は無能が嫌いではない。
だが、クッキーを作るのとピッキング入室、あとは怖い顔くらいしか取り柄がない俺では流石に無能が過ぎるのではないか。……もし「でも作ったクッキー美味しかったじゃん」と励ましてくれる人がいたら嬉しい。けど考えても見ろ。『ここは特殊捜査係 第一班。我々の任務は死因が不明なケースを潰していくこと。日々危険に曝され、血を流す仕事だ。ちなみに私の特技はクッキーを作ることだ――よろしくな新米』みたいな小説があったとして、やっぱり拍子抜けちゃうでしょ?
まあ学園ハーレム物のラノベだったら特技かも知れねえけど……。
『僕の名前は桐山霧夜。クッキーを作るのが唯一の取り柄の高校生だ。まあ、聞いて分かる通り、僕はいたって平凡な人生を送ってきた。……でも、中学生のころ、それらが全てひっくり返ったんだ。一瞬で今までの僕はいなくなって、って、えぇ!美少女だらけの部活動で何やら一風変わったことをする生活が始まった!?
……これは、ニューゲームな俺がとんでもないフラグをぶっ立てる予感!?
と、ある日僕は、クラス一の美少女で何やらトンデモお嬢様の雪ノ下雪乃とクラス一のビッチ系女子の由比ヶ浜結衣に告白されて……え!何だかコレはハーレム状態!?
それも朝のホームルームで告白って、みんなが見てるよ?
うわあぁぁ!どうなる僕の日常!
× × ×
奉仕部が送る超展開ドタバタLOVEコメディー。
「やはり俺の青春ラブコメは間違っている。―The movie―」
――この春、あなたは堪え難い吐き気に見舞われる。』
☆ ☆ ☆
今なら前売り券でグッズも貰えそう。
「………」
何だかこれでもいける気がしてきた……。
いけちゃダメだけどいける気がしてきた。いや間違いなくいける。乞うご期待まである。
いや客観的な期待はないか。まあ、あっても困んだけどね。
と言うかグッズ欲しい。比企谷のぬいぐるみとかだったら超買う。デフォルメされたデザインなら灰色がか
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ