第四章
桐山霧夜の思考は捻り捩れて螺切れる。
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《役不足かも知れないが、主役のつもりでこちらも演じさせていただこう。》――と、去り際に独りでドヤ顔をしてみたは別に良くもなかったものの、やはりというか何と言うか何とも言えず何も言わず役不足で、お世辞にも物語的とは言い難い休日を送っていた。
と、言うのも、単純にやることがないのである。
最近はまた一回り自分に詳しくなり、賢くなってしまったので、ギャルゲーをやるにも興が醒めていた。なんだか珍しく正直に在れた気がするが、おかげで人間の《堕》と言うべきものに落ち込んでしまった。実に救いようがないなあ僕は。こうしてる今も生きることに無気力なのだから。
やはり僕に《堕落》は浅すぎるし、格好がつきすぎている。
カッコつけるのは良いけれど、いい加減 温くて冷める。
言うなれば《堕落》ではなく……そうだな、――《脱落》だ。
堕落、だなんてオシャレな言葉で文章を小綺麗に整えるなんてしちゃいけないな。
うん。その通りだ僕。……だから俺は脱落しているのでした。
具体的には《人から》など。また、『脱』は《脱ぐ》とも読めるので変態っぽくて俺好みだ。
……と、まあ何はともあれ俺は例に漏れず退屈した日曜日を迎えたのであった。南無三……。
どうでもいいけど南無三って某海賊団の料理人が言いそうな感じだな。……ってそれはナ○さんでした。テヘッ☆。
まあ最近は言ってないっぽい、って言うか読まねえな、最近……と、一人で補足をしていると何だかわさわさしてきた――違った、そわそわしてきた。
何かしないと暇だな……と、思って、じゃあ本屋にでも行くか、と自分の中で結論を出した。が、しかし生憎サイフの中には《虚無》が広がっていた。お金が無いので立ち読みでもしよう。
ふと思ったんだが最近俺の妄想力がすごい。サイフという響きで興奮できるレベル。
例えば挿入歌とか、もはや直球とすら思える。さすがは俺。キモすぎる……。
あー、どこかでくたばってたい。誰か僕を殺してくれればいい。
でも誰も僕を殺さないのは、みんなが僕が生きると言うことを許してくれているからだ。
誰かが僕がいきる価値や意味を真っ向から否定してくれないかしら。
……そしたらもうそれでいいのに
× × ×
「……涼しい」
この本屋は今日もあんまり人がいなかった。
がらんどうである。店員さんもどこにいるか分からない。
「……」
何しようかな、と、ふと考えた。
ところでわざわざ本屋に出向いた挙げ句、何をしようか?など普通に考えれば愚問ではなかろうか。
だって言うまでもなく当然のように、黙って本を買えばいいのだから。
しかし、興味を引く本はなかった
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