白馬長史の友達
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たことがなかったのだから。それに子供の様に泣く姿も。
太守という仕事の責任は重大で、良くも悪くも無い部下が一人以外は揃ってはいるが仕事も大きく減ることなど無く
さらに悪い事に友人である劉備殿が優秀な部下を連れて来た事によって自身の劣等感が刺激されて
精神的に追い詰められていた白蓮殿は秋斗殿と私の中の良さを見てか大泣きした。
お前達が羨ましい、私は普通が嫌だ、劉備殿のように多くの誰かに認められたい、と。
ただ一人認めている、いや、心酔している部下を除けば誰からも普通だと言われる彼女は、認め合い、けなし合い、笑いあう私達の関係に羨望を抱いていた。
秋斗殿はそれを聞いて一言、
「お前バカだろ」
と酔っているのか敬称も使わずに言い放った。怒った白蓮殿に掴みかかられたが、
「自分がどれだけ凄いか分からないのか。太守なんて普通じゃ出来ないだろうが。この地が平穏に包まれているのは誰のおかげだ? 優秀な部下がいなくても、有名な親が居なくてものし上がったお前は誰よりも凄いんだよ!」
ただ強く、その言葉は白蓮殿の胸を打ったようで、彼女はさらに大泣きした。
私は彼のようには言えない。思っていても言えない。だから抱きしめて、頭を撫で、
「ふふ、真名を許しているのに認めていないわけが無いでしょう?」
彼女に追い打ちを掛けた。
先程の事を思い出しながら彼を見やる。暗がりを歩く彼はどこか楽しげで、共に歩いている私まで楽しくなってきた。
「秋斗殿。」
「ん?」
「いつまでかはわかりませぬ、ですがその時までは私と共に白蓮殿を支えましょうぞ」
普段なら言わないような本心も、きっとそんな気分だから言えること。
だがやはり少し照れる。似合わないな、酒が回っているのか身体が熱い。
「ああ。最低かもしれないが、せめてその時までは共に」
そうだ。いつかは私も秋斗殿も出ていく。最低だろう。
しかしその時が来るまでは、いやそれが終わっても、友でいたい。
「うへへ〜。わらひたちはともだひだぁ〜こころの……ともらぁ……」
次の日、案の定記憶をなくしていたので、あったことを私と秋斗殿から包み隠さず聞いた白蓮殿は、少し記憶が戻ったのか、顔を真っ赤にして怒っていたがどこか楽しそうだった。
蛇足〜酔っ払い白蓮さん〜
どうにか泣き止んだ白蓮殿は愛紗に説教を喰らう秋斗殿の話が気に入ったようで大爆笑していた。
「あははは! お前面白いな! 気に入ったぞ、私のになれ!」
「ぱ、白蓮殿、それはさすがに」
急な彼女の告白に戸惑い、慌てて諌めるがこちらをちらと見ただけですぐにまた彼に話しかけた。
「あのバカも抑え込めそうだし、仕事とか手伝ってくれそう
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