白馬長史の友達
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ダにしてくれるとのこと。
確かに美味い。こんな美味いものは食べたことがない。
「この『はんばぁぐ』とかいうの、気に入ったぞ」
肉団子を焼いたようなこの料理は、食べた瞬間に口全体にじわりと旨味が広がる。店主の腕もあるだろうが、異国の料理の数々にはこんなおいしいモノがあるのか。
これが食べられただけでここに来た甲斐があるかもしれない。それにタダというのも懐が寒い私にも嬉しい。
「気に入って頂けたようで何より」
「あぁ、話し方戻していいぞ。今は私事だし、敬語もいらない」
未だに敬語を続ける徐晃にどこか違和感を感じて、星と同じように話して欲しくて言ってみた。
実際、さっきのを聞いたらもの凄くむずむずする。
「わかった。しかし喜んでもらえてよかった」
「では失礼して……。」
「おい、星。なんで酒を出してるんだ」
徐晃の喋り方に違和感が無くなった事に納得していると、星がいきなり酒を出し始める。
店に入った時はまだ夕方、確かにもう仕事はほとんど終わらせて来たがそれでもまずい。
「おや。これは私事なのでしょう? ならば語るのに酒はかかせますまい。ささっ、どうぞ」
にやつきながら杯を私の前に置いて取り出した酒を満たしていく。
私が言いだしたことだから今更撤回する事などできない。
「……仕方ない。いいか? ちょっとだけだからな!」
仕事に差し支えないように少しだけ飲む事を決めて星に言うと、
「クク、相変わらず巻き込むのがうまいな」
「さぁ、なんのことやら」
徐晃に痛い所を突かれたのかいつもの調子で誤魔化す星。
どうやら私は嵌められたらしい。それに気付いて沸々と腹の底から怒りが湧きあがってきた。
ええいままよとグイと杯を煽って……
記憶はそこから綺麗さっぱりない。
†
どうにかうまく白蓮殿も嵌めることができた。タダ飯と美味い酒と楽しい時間。
しかしまさか白蓮殿がここまで酒乱とは思わなかった。
彼女は酔っぱらってからしばらくして眠りこけてしまい、帰り道の今、秋斗殿の背中で揺られている。
「うへへ〜。星も秋斗もわらひのところではたらくんだぁ」
幸せそうに蕩けた顔で語る言は、先ほどの酒宴で聞いた彼女の友達と共に働きたいという願い。
しかしどんな夢をみているやら。
「わざわざ送っていただき申し訳ない。まさかここまでとは思いませなんだ」
「構わんさ。白蓮は軽いが、さすがに女の子に背負わせるわけにはいかんだろ」
さらっと普段の飄々とした態度で嬉しいことを言う。
「しかしよかったのですかな?真名まで交換して、どこまで覚えているかわかりませんぞ。」
「いいさ。白蓮も辛かったんだろう。それに覚えてなきゃ教えてあげればいい。」
違いない。今日ほどの白蓮殿の笑顔を私は終ぞ見
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