第二章 風のアルビオン
第五話 ウェールズ・テューダー
[10/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を囲むように飛んでくるのに気付き、その場から動くことが出来なかった。
「なっ? これは!?」
詰の状態に気付き、動けなくなったワルドに、士郎は両手に持った剣を振り下ろす。
「両雄、共ニ命ヲ別ツ!」
振り下ろされた剣は、盾にされたメイジとワルドの頭頂部に叩き込まれた。
「……」
ワルドと盾にされたメイジを床に叩きつけた姿勢のまま、士郎は動かずにいたが、急に両手に握っていた剣を宙に投げつけた。
士郎が剣を投げつけた先、何もない空中を剣が切り裂いた瞬間、悲鳴と共にワルドが姿を表した。
「ひい!」
ワルドは“ユビキタス”の魔法を完成させた際、タイミングを見計らって、分身の一体と位置を入れ替わったのだ。そして、魔法で姿を隠すと共に、士郎が開けた天井の穴から逃げ出そうとした。のだが、それは士郎に見切られていた。
士郎は姿を表したワルドに向かって跳躍すると、タイミングよく落ちてきたデルフリンガーを掴み、ワルドに向かって振り下ろした。
「ぎゃっ!」
姿を晒されたワルドは、恥も外聞も関係なく直ぐに逃げ出したが、あまりに早い士郎の動きに逃げるのが間に合わず左腕を切り飛ばされる。
左腕を切り飛ばされたワルドは、しかし下に落ちることなく、なんとか“フライ”を保ち、天井の穴から逃げ出すことに成功した。
「……シロウ?」
ルイズは混乱していた。士郎が現れた瞬間、嬉しさで目眩がするほどだったが、その後の出来事に思考が追いつけない。
何が……起こっているの? あれは……誰? 一体……何が起こっているのよ!?
ワルドが貴族派であることが分かり恐怖と悲しみ、そして怒りで混乱していた中に士郎が現れたかと思うと、さらに凄まじい強さを見せる士郎によりさらに混乱してしまっていた。
三人のメイジが倒れている中、呆然と座り込んでいるルイズの前で、士郎がワルドの逃げた先を感情の見えない視線を向けていた。
ルイズが焦点の合わない視線を士郎に向けていると、次の瞬間、士郎は手にしていたデルフリンガーを床に刺し、何ごとか呟く。
「投影、開始」
……倒しきれなかったか。
「創造理念、鑑定」
まあ……いい。
「基本骨子、想定」
まずは。
「仮定完了。是、即無也」
……上空の艦隊をどかすか。
「……何?」
呆然と士郎を見つめていたルイズは、突然訝しげな声を上げた。
デルフリンガーを床に刺したことにより、無手になった筈の士郎
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ