第二章 風のアルビオン
第五話 ウェールズ・テューダー
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、三人のメイジ達は知ることは出来なかった。
離れて見ていたワルドには、士郎の身体が一瞬ブレた瞬間、三人のメイジが吹き飛んだように見えた。
一人目は身体を回しながら顎先に右肘を叩き込み、顎骨を砕くと共に、頚椎を捻挫させ。体を回す勢いを止めず、二人目の胴体最大の急所である水下に回し蹴りを叩き込み、地獄の苦しみを与えた。そして最後は、蹴り足が戻ると同時に左の裏拳を三人目の顔面に叩き込み、頭蓋骨にヒビを入れた。三人のメイジを一瞬で昏倒させた士郎は、次の瞬間にはワルドめがけて襲いかかったが、既にワルドは傍にいたメイジを掴むと後方に回避していた。
「化け物め! しかし! これならば! ユビキタス・デル・ウィンデ……」
後方に飛んで逃げるワルドは、着地までに詠唱を完成させると、地面に降り立つと同時に分身を始めた。
現れた分身は、士郎の目の前に一人、左右に一人ずつ、左右後方にも一人ずつ、合計五人。本体を含めると六人が士郎を中心に囲むようにして現れた。
「この分身は、一つ一つが意思と力を持っているぞ……!」
士郎を取り囲んだワルド達は、一斉に士郎に襲いかかる。
六人のワルドに囲まれながらも、士郎は少しも動揺することなく、腰からデルフリンガーを引き抜くと、前方上空から襲い来るワルドに投げつけた。
「なっ? ガハッ!」
投げつけられたデルフリンガーは、ワルドの水下付近に突き刺さり、勢いを減ずることなくそのまま天井まで飛び、天井を破壊する。
「武器を投げるとは! 馬鹿が!」
「鶴翼、欠落ヲ不ラズ」
デルフリンガーを投げつけ、無手になった士郎に嬉々と襲いかかるワルドたちだったが、士郎が何事か呟いた瞬間、現れた黒と白の剣に気づき驚愕した。
「凍結、解除」
「「「「「「何!?」」」」」」
「心技、泰山ニ至リ」
「ぎゃっ!?」
「がはっ!?」
士郎は現れた両手の剣を、後方に投げつける。
投げつけた剣は、左右後方から襲いかかるワルドの胸を切り裂く。
投げた結果を確認することなく、士郎は再び両手に投影した双剣を左右前方から襲い来るワルド達に投げつけた。
「心技、黄河ヲ渡ル」
「馬鹿な!?」
「カッ!」
五人のワルドを切り裂いた士郎。その間わずか数秒、十秒にも満たない時間であった。
「唯名、別天ニ納メ」
三度投影した双剣を両手に握ると、士郎はワルドに襲いかかった。
ワルドはメイジの襟を掴み、盾のように士郎に向けながら、後方に飛んで逃げようとしたが。分身を切り裂いた剣が、そのまま自分
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