第二章 [ 神 鳴 ]
二十六話 神々の戦 風雨の軍神
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子さっきの“終わりにしよう”って言葉、熨斗を付けて返してあげるよ!暴食!!」
僕は左手に現れた青龍刀を頭上に掲げその切っ先を空へと向ける。そして僕の頭上五十メートル辺りに黒球が生まれ一気に膨張し十メートルを超えた。
そして黒球が吸引を開始する。その凄まじい吸引力は空を覆っていた黒雲を根こそぎ飲み込み一瞬にして青空が広がる。地上では木々が巻き上げられ、地面は剥がされていく。
その暴食の乱流の中、神奈子は神力を振り絞り結界を張って抗っていた。並みの妖怪や神なら抵抗も出来ずに引きずり込まれる程の吸引力なんだけどな。
暴食の嵐の中、徐々に身体の感覚が戻ってきたが御柱で受けたダメージが思っていた以上に大きく全身を激痛が走る。これ以上長くは戦えない。このまま一気に勝負を決めないと。
二分程で暴食は砕け散り上空の黒球も消滅した。残ったのは青空と僕と神奈子の周り意外大きく削り取られた大地だけ。
「はぁっ!はぁっ!こ、こんなふざけた隠し玉を持っていたなんてね!」
嵐を耐え切った神奈子が大きく息を乱していた。相当に消耗した様だ。消耗したのは僕も同じだけど。
だけどここでへばってはいられない。悲鳴を上げる身体に鞭を打ち次ぎの行動に移る。
「残念だけどまだ終わりじゃないよ!憤怒!」
左手に憤怒が現れるのと同時に空には再び黒雲が広がり僕の周囲の地面から灼熱の溶岩が溢れ出し瞬く間に周りの森を飲み込み紅蓮の湖を造り出した。森の木々はその湖に焼かれ一瞬で炭と化す。
神奈子は溶岩に飲まれる前に上空に逃れ変貌した世界に驚愕していた。
「……あんた本当に何なんだい?」
神奈子の口から出たそんな純粋な疑問に僕は、
「僕は僕だよ。それ以上には成れないしそれ以下にも成る気はないよ」
ヘラヘラ笑いながらそう返した。
「ねえ、お互いもう余力が無いから一発勝負で決めない?最後の全力の一撃同士で」
僕は神奈子にそう提案する。
「……あぁ構わないよ。確かに余力も無いしね」
神奈子は少し笑いながら承諾し距離を取った。互いに最後の一撃の為に集中する。
僕は憤怒の切っ先を天へ向ける。するとマグマから這い出た紅蓮の蛇達と黒雲から落ちて来た雷の蛇達が頭上で集合し風刃を撒き散らす三十メートルの巨大な星になる。
神奈子が短く何か言葉を唱えた瞬間、目の前に布に包まれた棒の様な物が現れる。そしてその布を剥ぎ取ると中から長さは二メートル程で刃は二十センチ刃幅三センチのなんの装飾も無い質素な槍が姿を現した。
それを見た瞬間僕は戦慄した。何故ならその槍から神奈子と同等以上の神力を感じたからだ。
「……そんなふざけた切り札を持って
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