第二章 [ 神 鳴 ]
二十六話 神々の戦 風雨の軍神
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裂く。
神奈子はそのまま距離を取り左肩を押さえながら僕に鋭い視線を向けてくる。
「……世辞抜きで本当に大した奴だよ七枷。部下に欲しいくらいだ」
「……いきなり求婚されるとちょっと困るな」
「してないだろ!って危ない危ない、あんたの空気に呑まれる所だったよ」
そんな会話をしながら互いに次の一手を考える。すると唐突に神奈子が僅かに微笑んだ。
「悪いね七枷どうやら勝負がつきそうだ、こっちの準備が整った」
準備だって?まだ何か隠し玉があるのか。僕の表情から察したのか神奈子が話し出した。
「人間のくせにあたしに全力を出させるなんてね本気であんたの事が気に入ったよ。ここで討たないといけないとは運命ってのは皮肉なものだね。でもあんたを認めるからこそ本気で討たせてもらうよ!」
神奈子がそう言うと空に黒雲が広がり雨が降り出した。雨脚は徐々に勢いを強め豪雨に変わる。
「さぁ終わりにしようか!」
神奈子はそう宣言すると自分の周りに数十の光弾を展開しそれを一斉に僕へと撃ち出した。その光弾に紛れて御柱も襲い掛かってくる。再び防戦に追い込まれ始めた僕の身体に変調が起こり始めた。
最初は気のせいかと思っていたが徐々に身体が重く感じる様になっていく。その所為で神奈子の攻撃を躱し切れず身体のあちこちに傷が増えていった。
変調はそれだけではなく少しづつ視界がぼやけ始め周りの音も聞き取り辛い。そしてとうとう御柱の一本に吹飛ばされ光弾の追撃で滅多打ちにされてしまう。
だがおかしな事に衝撃はあったのにあまり痛みは感じない。いや痛みを感じる事ができなかった。
「……な、何なんだこれ?」
僕の疑問に神奈子が答える。
「この雨はね、あたしの『乾を創造する程度の能力』で降らせた特別なもので打たれた相手の身体機能を徐々に封じていくのさ。身体の自由、視覚、聴覚、触覚、痛覚とかね。発動に時間と力を使うもんでね余程の相手じゃないと使わない力なんだよ、光栄に思いな」
乾…確か天を指す言葉だった筈だ。神奈子の能力は天候を操る力だったのか。とりあえずこの雨をどうにかしないといけないな。
僕は刀を杖代わりしてなんとか立ち上がり霞む視界で空を見上げあの雲を全部かき消す方法を考える。まぁ一つしか思い付かない、というかそれしかない。
「どうしたんだい?降伏でも考えているのか?」
僕の様子を見ていた神奈子がそんな事を聞いてきた。
「…まさか、ここからの逆転の一手を考えていただけだよ」
「ほう?この状況で何が出来るんだい?…いや、あんたを侮るのは止そう。何を仕出かすか分からないからね!」
そう言うと神奈子は棍を構え攻撃態勢に移った。悪いけど遅いよ。
「神奈
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