第七十九話 アンタレスの劫火
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スランは歯痒さを感じる。
「でも、いざというときの為に準備はしておいて頂戴。こちらに飛び火しないなんて楽観は出来ないわ」
「わかりました。マーレ達にも伝えておきます」
そう言ってアスランは自分の無力さを痛感しながらも、いつでも対応できるようにするべく艦橋から退出していった。
◇
「――――来るッ!」
直感が働き、襲い掛かってきたビームの射線をキラは機体を横に回転させることで回避する。
『ほう、ミーティアか……そのような骨董品はもうないと思っていたのだがな』
ストライクフリーダムに取り付けられた巨大な装備――――ミーティア。メサイアを落とす為に有効だと判断してキラがストライクフリーダムに装備させた兵器だ。だが、エターナルが沈んだ事を把握していた議長はそのエターナルの附属品とも言えるミーティアが残っているとは思っていなかった。実際、エターナルのミーティアは既に存在していない。
しかし、今キラがストライクフリーダムに装備させているミーティアはアメノミハシラでジャンク屋から提供されたものであり、エターナルにあるものとは別のものである。かつてサーペントテールがジャンク屋によって渡されたミーティアがあったようにアメノミハシラにもミーティアが存在しており、それを経由して渡されたのだ。
『いきなりトップのご登場というわけか。それは流石に我々を軽んじすぎではないかね?』
『逆に高く評価しているとは考えてくれないのかい?』
機動力の高いリゼルに乗ったバルトフェルドはビームサーベルを抜いて斬りかかるが、議長は後ろに目でもあるかのようにずらす程度でその攻撃を避け、そのまま腕を反転させて掴もうと反撃する。だが、掴まれそうになりつつもリゼルのスラスターを全開にし、距離を取ることで何とか届かせずに済んだ。
「下がってください、バルトフェルドさん!あの人は僕が抑えます!だから、アークエンジェルと一緒に!」
『分かった。しかし、キラ君――――くれぐれも落とされないでくれよ!』
デュランダル議長一人を相手にこちらが足止めを食らうわけにはいかないとキラは一人で止めるという。バルトフェルドやオーブのMS部隊もそれに同意して艦と共に先に進む。
「どうして貴方は!」
ノイエ・ジールUの二門のビーム砲からの攻撃によって再びキラを襲う。その攻撃をキラは回避してビームを放つがノイエ・ジールUの高機動によってあっさりと躱される。
『君たちが誰もが分かり合える世界という理想を求める中、私は私なりの結論を導いたに過ぎない。今ここで私を斃すという事は、君達という存在が新たな混迷を生み出すという事になる。本当に良いのかね、それは?』
「違う!確かに僕たちが止めようとしたことでそうなってしまうか
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