第七十九話 アンタレスの劫火
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て俺達に打つ手がないというわけでもない」
しかし、バルトフェルドはそんな状況下にありながらも勝算が無いわけではないと口にする。確かに一見すればザフトに――――否、デュランダル議長の提示する政策に正面から対立することは無謀だと思える。
だが、そんな中、デスティニープランに対して反対を示したのはなにも地上の勢力だけではない。プラントの内部でも不安を覚えた者らによって派閥の様に勢力が分かれたのである。とはいえ、その確執がすぐに表立つという事もなく、互いに撃つことを躊躇っているため未だに大きな戦端が開かれることはない。
現状、確執が生まれたことによる最も大きな戦闘は、互いの最新鋭機同士でメサイア付近に起きたマーレとレイの戦闘だ。そして、その情報もザフト内ではともかく、外側には広がっていない為、彼らも詳しく知っているわけではない。だが、現在のザフトが内部で問題が起こっているという事は確認できた。
「そういった面から考慮すれば……もしかしたら、彼もそちら側についているかもしれない」
無論、それはあくまでも予想に過ぎない為、本当にそうなっているかどうかは分からない。だが、彼らは止まるわけにはいかないと、議長の考えに賛同するわけにはいかないと判断して突き進むのである。
「敵艦、敵MS多数接近、来ます!」
「各員、第一戦闘配置!ここからは一瞬も気を抜けないわよ!」
遂にアークエンジェルを先陣にメサイア攻防戦が開始される。未だ敵と味方が入り乱れ、誰が誰を味方すべきなのかを迷う状況の最中、彼らの戦いが遂に始まった。
◇
「デュランダル議長――――今回は以前の戦闘と違い護衛はいません。くれぐれも撃墜されないようにしてください!」
「ああ、分かっている。発進させるぞ――――各員、出撃後は指定されたポイントで防衛する様にしろ。指揮権は一時的にメサイアの司令部に一部の部隊を除いて完全に手渡す」
ノーマルスーツを着込み、デュランダル議長はノイエ・ジールUに乗り込む。その様子を確認しながらノイエ・ジールUを整備していた技術者や議長の関係者が乗り込む様子を見ながら注意すべき点を確認する。
「ハッ、了解いたしました!」
「ギルバート・デュランダル――――ノイエ・ジールU、出るぞ!」
エンジンに熱を入れ、スラスターを噴かせ始める。機体を固定するために取り付けられていたワイヤーが取り外され、ノイエ・ジールUは始動する。
「さて、いの一番に飛び込んできたのはアークエンジェルか……予定通り、いや寧ろ予測とは外れたとみるべきかね」
ヘルメットのバイザーを閉じ、OSを起動させ射出されメサイア内部から宇宙空間に出ると同時にノイエ・ジールUを大きく開かせる。演出として機体を魅せることで議長と機体の印象を
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