第七十九話 アンタレスの劫火
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アメノミハシラから出航するアークエンジェルを含める数隻の艦。現在、キラ達が保有している最大限の戦力と言ってもいい。
「でも、大丈夫かしら。カガリさんは……今の情勢でプラントに行っても交渉は難しいと思うのだけど……」
「僕たちに出来ることは信じる事だけです。それに、カガリならきっと大丈夫だと思います。向こうにはアスランだっていますし」
自身の意思による辞退と行方不明の期間によって現在は元国家元首となったカガリは、それでも今持ち得る権力を使って戦闘以外での別の方向からアプローチを試みると言い、彼女とその護衛だけで小型の非戦闘用の船を使いプラントに向かっていった。
マリューの危惧する様にプラントとの交渉は難しいだろう。それどころか行った先で安全が保障されるのかも分からない。しかし、カガリは言葉を交わすこともなくお互いに銃を突きつけ合い、従わないものに対して強制的に従わせようという議長の考えを放置するわけにはいかないと言って向かっていったのだ。
「アスラン君を信じているのかね?しかし、キラ君……だとしてもそれは……」
バルトフェルドとしては敵として相対することになった今のアスランを信用するのはどうかと問いかける。
「確かに、そうかもしれません。でも、僕はアスランを信じます。彼と僕たちの道は今は違えているかもしれない。けれど、共に平和を望む気持ちは同じなんだと信じていますから」
二年前も敵として戦ったが、最後には分かり合えた。自分たちは――――人は分かり合えるのだとそう思うからこそキラはアスランとカガリを信じると口にする。
「そうね、それにこう言ってしまうのはどうかと思うけど、今の私達にカガリさんの事を考えてあげれる余裕はないわ。この少ない戦力でどうやってあの要塞を止めるべきかしら?」
以前にも言ったようにロゴスという母体を失い、連合のトップと言えたジョセフもザフトに討たれた連合は、既に組織として瓦解しており、その力は地上ですら維持、継続を困難なものとさせていた。代理的にトップに立つことになった連合の上層部の人間もザフト、プラントに対して停戦の協和と、降伏を申し出ている者は少なくない。
最早ザフトのデスティニープランを止める術を持つほどの勢力は殆ど存在しないと言ってもいい。ロゴス反発によって高まった多くのデュランダル支持者によって新プラント派の殆どは受け入れ態勢を整えている。
即座に反対を提唱したスカンジナビア王国と沈黙を決め込んだ南アメリカ、残党の親ロゴス派連合などは表立った反発を示しているが、他はどちらかと言えば賛成寄りの保留としている所が多い。そして、仮に保留している国を含めたそれらすべての勢力が敵対したところで烏合の衆に過ぎないそれらに今のザフトに勝つ見込みは薄いと言える。
「だが、だからと言っ
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