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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
番外編「オーバー・スペック 後編」
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ぼけんな!更衣室の中でユウのこと考えたろ・・・ついでに妹と一夏の奴の事も」
「OKOK、私の可愛い簪ちゃんをついで扱いしたってことはイコール死にたいって認識でいいわね?」

すぱん!と勢いよく開いた扇子には「よろしいならば戦争だ」と妙に達筆な毛筆で書かれたようなフォントが浮かび上がる。それを見たジョウは先ほどまでの若干不機嫌そうな顔を綻ばせた。突然変なことを聞いたかと思ったら突然笑い出す・・・不気味だ。

「・・・な、なによ。急に笑っちゃって・・・」
「なに、いいように弄ばれて腐っちゃいないか様子を見に来たのさ。ほれ、こいつやるよ」

ぽい、と投げ渡されたペットボトルを見ると「リオネル親方」書かれたよく分からないスポーツドリンクだった。微妙に気の抜けたライオンのようなキャラクターがだらけているイラストなのに「気分爽快、思わず笑顔!!」等と書かれてもいまいち説得力に乏しい。
とはいえ渡されたのだから素直に受け取っておこうと楯無はボトルの蓋を開けて一口煽った。存外不味くは無いのが妙に腹立たしい。

「お前さんはいい女だからな。たった一回の敗北で不貞腐れられちゃこっちも面白くないってもんよ」
「あら、ひょっとして惚れちゃったかしら?」
「冗談。俺が夢中になった女は後にも先にもたった一人だよ」

・・・その情報は初耳だ。更識の洗い出した情報を見る限り、彼が特定の女性と親密な間柄になったという情報は無かった。というかこの男にも人並みの恋愛感情が存在したという事実が意外でならない。
単純に一人の女としてもその話は気になったし、何よりジョウのような男が惚れる女とは一体どんな子なのかが気になってきた楯無は少々突っ込んで聞いてみることにした。

「ふーんなんだつまんない・・・で?で?その女ってどんな女だったのよ?」
「ツマンネーんじゃなかったのかよ・・・」
「別腹よ!」
「別腹か、じゃあしょうがないな。母さんもよく『ポテチは別腹!』って夕飯後に食べてたしな」

・・・相当個性的な母親だったようだ。生前の写真を見る限りスレンダーな体格だったので是非ともスタイル維持の秘訣を教えてもらいたいが、既に故人であることが悔やまれる。
それはさておき、ジョウは懐かしむように日の沈んだ夜空を見上げた。

「そいつはマジで強くてな・・・常勝無敗だった俺に初めて土をつけたのがソイツだった」
「・・・・・・・・・え、ちょっとそれジョークじゃなくて本気でなの!?」
「大マジだ。当時はちょいと舞い上がってただけにその時の悔しさときたらなかったぜ?」

うんうんとしきりに頷くジョウに楯無は唖然とした。
からかっているのかとも思ったが、この男大真面目である。この魔界の住人疑惑があるレベルの戦闘能力を誇るジョウを負かした人間となると、もはやそれは
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