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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第27話 タヌキとキツネを化かせ
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「はい」と、力強く頷いた。

「して、魔の森が広がる原因は何だったのだ?」

「陛下。先ずはこちらを……」

 私はドライアド家の人間が書いた手記を提出した。内政官を通し受け取った陛下が、手記に一通り目を通すと同じ内政官に読み上げるように指示した。



 内政官が手記を読み終わると、謁見の間は大きなざわめきに包まれた。敵意を多分に含んだ視線が、私に多く向けられる。手記の内容は、トリステインの上級貴族を批判する様な文脈も含まれていたので、これは仕方がないだろう。

「その手記を発見した時に、先ず偽物であると疑いました。しかし残念ながら、偽物である根拠も無いのです。むしろ状況は、本物である可能性が高いと判断せざるえませんでした。
 ドリアード家・ドライアド家・ドリュアス家は、1200前に実在した家の名前です。そして、王宮資料庫と王軍資料庫の魔の森に関する資料は、肝心な所が全て紛失もしくは破り捨ててありました。
 そこで私は、精霊の存在を確認する為に魔の森に入ったのです」

 そこでいったん言葉を切り、周りの上級貴族達を見回す。視線に含まれる敵意は、だいぶ薄くなっていた。

「そして私は、木の精霊との接触に成功したのです。誠に残念ながら、その手記に記されている事は全て事実でした」

 私は信じられないと言う視線を受け、遺憾の意を表す様に首を振った。

「当然ながら、木の精霊は我々人間に対して強い不信感を持っています。接触時に対話か死かの選択を迫られました」

 私の言葉に、再びざわめきが起こった。

「ドリュアス子爵なら、討伐する事が出来たのではないですかな?」

 来た!! リッシュモン本人ではなく、傘下の人間が口を開いた。その言葉には、臆病者と言う罵りが言外に含まれている。

「残念ながら、討伐どころかではありませんでした。木の精霊は正面から戦えば、スクウェアクラス50人そろえても討伐は不可能です。私程度では逃げる事もままなりません。あの場で、対話以外に生き残る道は……ありえませんでした。しかし、対話も正解とは言えなかった様です。木の精霊の怒りは凄まじく、木の精霊と人間との戦争になりかけました」

 大きなざわめきが起ったが、ヴァリエール公爵が一喝して黙らせた。

「私はそこで賭けに出ました。精霊に頭の中身を覗かせたのです」

 私の言葉に謁見の間は騒然となった。ヴァリエール公爵でさえ、驚きのあまり固まっている。私はこの場をどう収拾するか一瞬だけ悩んだが、国王が一度手を叩き「静まれ」の一言で黙らせた。流石国王である。

「無抵抗に命を預ける事で、こちらに害意が無い事を伝え、そして私の頭を覗いた事により、こちらに邪心が無い事も伝える事が出来ました。この行動をもって誠意を示し、木の精霊の
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