第二十五話 〜Mother&Children or Family【暁 Ver】
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ているよ」
「……カリムと、おともだち?」
ハラオウン提督は少しだけ考える仕草を見せた。だが、それも本当に少しだけだった。
「あぁ。騎士カリムは、僕の友人だよ」
「……あっちの、みどりは」
八神部隊長が、凄い勢いで横を向く。肩が震えてますよ。
「緑って言われたのは初めてだよ。君のことは以前から知っている。はじめまして、ヴェロッサ・アコースだ」
「あぁ、そう言えば名乗っていなかったな。クロノ・ハラオウンだ」
「……はやてが、いつもお世話になっております」
「えっ。あぁ、うん。こちらこそ」
「面白い娘だねぇ」
概ね同意します。それにしても……以前から知っていた?
「さて、立ち話もなんだからな。案内するよ、こっちだ」
提督自ら案内してくれたのは、落ち着いた雰囲気がある応接室だった。応接室と言うよりも、ラウンジと言った方がいいかも知れない。品のいいソファとテーブル。これで窓から見える風景が絶景ならば、言う事はないんだけど。
八神部隊長が嫋やかにソファへと腰をおろし、対面にはハラオウン提督が座る。アコース査察官は手ずからお茶の用意を始めた。驚いたあたしは慌てて駆け寄った。
「アコース査察官。お茶の用意なら自分が」
「ん? いや、気にしなくていいよ。君たちはゲストなんだから。ケーキ食べるだろう? 僕の手作りなんだけどね」
「いえ、自分は」
「……たべる」
あたしの慌てた様子など知ったことではないと言わんばかりに、アスナは八神部隊長の隣へと座る。
「君も座ったら?」
アコース査察官に促されるものの、どうしたら良いか暫し悩む。査察官にお茶の用意などさせてしまって良いのだろうか。
「しかし」
「ティアナのそういうところは、ええところやと思う。せやけど、遠慮しすぎは却って相手に失礼やで?」
「……『自分』とか、いつものティアナとちがう」
こいつ、帰ったら絶対泣かしてやる。八神部隊長の言うことも一理あるかも知れない。そう考えたあたしは観念することに決めた。
「……わかりました」
あたしは誰にも悟られないように溜息を一つ零すと、アスナの隣へと腰を降ろした。アスナは、自分の目の前に並べられた苺のショートケーキを子供のように頬張っている。
「どうかな?」
「……おいしいです。だけど、せんせいのとこのほうが、おいしい」
この娘は一言多い。それを聞いた八神部隊長は破顔した。
「なのはちゃんのとこと比べたら、ロッサが可愛相や」
「そんなに美味しいのかい? 一度食べてみたいなぁ」
「先生?」
あたし達の様子を楽しげに見ていたハラオウン提督が
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