第二十五話 〜Mother&Children or Family【暁 Ver】
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のは気の所為じゃないだろう。
「これが、普通なんやで? ……ティアナは緊張しとる?」
「いえ、特には」
「おもろない娘やな」
面白くないって言われたわ。
「アスナちゃんは……しとらんな」
軽い機械音をあたし達へ聞かせながら、転送ルームの扉が開く。緊張はしていない。していないが……あたしは先程から隙を見ては、ネクタイを外そうとするアスナと、それを阻止している八神部隊長の攻防を横目で伺う。これから会う事になるクロノ・ハラオウン提督とヴェロッサ・アコース査察官の人となりは、八神部隊長から聞いている。アスナがへそを曲げるような事態には、ならないはずだ。恐らく。
助けを求めるように天井を仰いでも、そこに女神がいて微笑んでくれるわけでもなく。あたし達は一抹の不安を抱えながら、クラウディアへ『跳んだ』。
「綺麗ですね」
「新造艦やからな。あれ、アスナちゃんは?」
「あそこです」
転送ルームから、真新しい廊下へと足を踏み出す。土足でいいのかと躊躇してしまうほど綺麗だ。肝心のアスナは物珍しさも手伝って、大きなガラスへ張り付くようにして外を見ていた。外とは言っても次元航行船なのだから、景色が見えるわけじゃないのに。ガラスへ一体化するのではないかと思うくらいだったアスナを八神部隊長が引き剥がすことに成功した頃。廊下の先から二人の男性が歩いてくる。
一人は白のスーツを普段着のように着こなした男性。新緑を思わせる爽やかな緑色した髪が印象的だ。あたし的には背中まで伸ばされているであろう長髪がNGだけれど。人懐っこい笑顔を浮かべながら手を振る姿に悪意は感じられない。恐らくこちらが、ヴェロッサ・アコース査察官だろう。
もう一人の男性は対照的に黒の制服姿。恐らく普段着なのだろう。一瞬、バリアジャケットかとも思ったが、どうやら違うらしい。少年のような黒髪と童顔な所為だろうか、聞いていた年齢よりも若く見える。だが、それとは裏腹に鋼のような強い瞳が印象的だった。この人が──── クロノ・ハラオウン提督。
「よく来たな、はやて。クラウディアへようこそ」
「うん。新造艦は綺麗やな。あ、紹介するな? この娘がウチのフォワードリーダー」
「ティアナ・ランスター二等陸士です」
あたしは自分の名を告げながら、最上級の敬礼を返す。
「そんで、この娘が……フロントアタッカーの一人。厳密には違うんやけど」
「……桐生アスナ。三等陸士」
アスナは自分の名と階級だけを告げると、貝のように押し黙る。敬礼もしない。アスナが初めて六課へ来た時を思い出していた。だが、ハラオウン提督は特に気分を害した様子もなく口を開く。
「君が桐生アスナか。騎士カリムや、はやてからよく聞い
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