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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-7
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月曜日。
この日は、一年一組のクラス代表を決める戦いが第三アリーナで行われていた。もうすでに始まっており、今戦っているのは、織斑一夏とセシリア・オルコットの両名だった。


その戦いは、やはり、織斑が初心の素人ということもあって最初こそは、セシリア優勢で進んでいった。しかし、その戦局が変わったのは、織斑がセシリアの使うBT兵器――――ビットにある一定のパターンを見つけてからだ。
セシリアは、効率だけを求め続けてしまい、ビットを死角からしか撃つことがなかったのだ。現に、織斑に当たったレーザーは、すべて死角からのものである。それ以外は、しっかりと回避しているか、回避しきれずに若干掠ってしまったかのどちらかである。


それでも、自分が有利になってそのまま突撃した織斑。相手の機体をよく観察していないがために起きたミス。セシリアが使うビットが四つだと思い込んでしまったことによるミス。
実は、セシリアが意図的に隠していたのだが、ミサイルビットが後二つあったのだ。それが放たれ、直撃。誰もがこれで終わったと思った。
だが、これで終わることがなく、タイミングを読んだかのように一次移行(ファースト・シフト)した。あまりにもタイミングの良すぎることで、さすがの代表候補生であるセシリアも思考回路がフリーズした。


そのフリーズした隙を狙って織斑は突貫。あわやその一撃が届くかといったところで試合終了を知らせるブザーが、アリーナ内に鳴り響き、勝者をセシリアと告げた。


そして、蓮が、アリーナに響いたブザーを合図に控室から不本意ではあるが、織斑たちがいる出撃口の方に行った。


蓮が入ってみると織斑がいろいろ言われて落ち込んでいた。どうやら、自分の機体の特性を理解していなかったらしく、簡単に言ってしまえば、自爆したということだった。
それにしてもやはりあの機体は、嘗て織斑千冬が乗っていた暮桜に似ている。一次移行(ファースト・シフト)だけで単一能力(ワンオフ・アビリティー)を使えるのは、異例なことである。まあ、その能力の特性を理解していないから負けてしまったもので、ただのバカだったことが、これで判明したのではないか。そう蓮は、感じた。
ちなみに説明しておくと、織斑の機体白式。その単一能力(ワンオフ・アビリティー)である零落白夜は、自らの機体のシールドエネルギーを吸い取って攻撃力に転換するという、攻撃特化型の機体であるのだ。織斑先生は、これを欠陥機と呼んだ。――――あ、訂正した。


蓮は、気持ちを切り替えた。精神を鋭く、より鋭くしていく。最大限まで高めていく集中。感情を自分の心の奥に閉じ込め、常に冷静であれるようにしていく。


「準備はいいか、御袰衣」
「……はい。いつでも」


作り上げた集中を崩さない
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