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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-7
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そんな重圧(プレッシャー)を放っているのが、まだ成人にも満たない十八歳の青年なのだ。


それでもセシリアは、気丈に耐える。気だけで、負けられないという意思で蓮の重圧(プレッシャー)を振り払っているのだ。
蓮はそんなセシリアを見て、笑う。そして――――


戦いの合図であるブザーがアリーナに鳴り響いた。


      ◯


管制室にいる千冬は、先ほど蓮が放った極僅かな殺気に恐怖を抱いていた。たった十八歳の青年があれほどまでに濃密な殺気を放てるものなのか。
あれは、本当の戦場に出たものでしか放てない。それに加え、あんな殺気を放てるのは、今のアメリカ軍でもいない。


――――何故、あいつはあれほどの殺気を放てるのだ!? ここまで現実味を帯びた死を感じたのは初めてだ!


周りから見ると冷静を装っているが、内心、動揺しまくっていた。頭の中でいろいろな考えが渦巻いている。希望的観測から、最悪の展開まで、ありとあらゆるパターンを考えた。
だが、それはあくまで推測の域を出ることはなく、曖昧でしかないのだ。どう転ぶかもわからない。そんなものほど不安なものなどない。


千冬は冷や汗が止まらなかった。モニター越しで蓮の目をたまに見るが、あの先ほどの殺気が脳裏をよぎって忘れられない。
それでもわかることは、二つあった。


一つは、蓮は普通の人ではないこと。どこかで訓練をしていたか、本当に戦場で戦い抜いた経験があるかだ。
もう一つは、このままでは対戦相手のセシリアが危ないということであった。


「――――山田君っ!!」
「は、はいっ!」


急いであの二人の戦いをやめさせようとしたが、千冬が大きな声で呼びかけたせいか山田真耶の手によって無情にも対戦開始の合図であるブザーが鳴らされてしまった。
遅かった。もう始まってしまっては止めることはできない。千冬は、真耶に大声で呼んでしまったことを謝り、用件も無くなってしまったと誤魔化し気味に伝えて、気にしない様にといい付けた。


教師であることから、どちらかを応援することはできないのだが、今回ばかりはセシリアに何も無い様にと祈るしかなかった。


      ◯


セシリアは、ブザーが鳴ったのを聞くと同時にビットを四機出して織斑との戦いで見せたように、四方八方から撃ってくる。
しかし、蓮はそれを予期していたのか、セシリアと同じようにブザーが鳴り響いた瞬間に背部装甲につけられている推進器(ブースター)を使ってさらに上空へ逃げた。その結果、セシリアの不意打ちにも近いレーザーの雨には掠りもしなかった。


それに動揺はせず、落ち着いて手に持っているスターライトmk.Vで狙いを定めてトリガーを引いた。一発だけではなく、何発も観客もやり
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