”狩人”フリアグネ編
三章 「御崎市」
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「堂々巡りだな、これじゃ。仕方ない、別の事を考えよう」
別の事を考え、先程までの思考を追い払う。根本的な解決にはなっていないが、今は仕方がない。
ところで昨日も確認したが、この御崎市はそれなりに大きい市の様だ。
しかも、かなり極端な造りをしている。
市の中央を南北に割って流れる真南川を挟んで、東側が都市機能を集中した市街地。西側がそのベッドタウンの住宅地、それを大鉄橋の御崎大橋が結んでいる。
ちなみに今、俺が向かっている市立御崎高校は、その西側の住宅地の中にある。
通学路を歩く間も、何人ものトーチとすれ違う。そこで、トーチには灯の明暗の差はあるが概ね目立たず、おとなしいという共通点がある事が分かった。
そんな中で炎が消えそうな“特に目立たたない人”が、消えてしまうのだ。その消え行く様は、トーチだと認識していてもほんの少しの違和感しか持てなかった。
だが、世界はなにも変わっていないかのように動き続ける。
これまでも、そしてこれからもそうなのだろう。
異常なのはこの世界か、それとも俺自身か。
どちらにせよ関係はない。自分のタイムリミットも刻一刻と迫っているのだ。何もしないまま、ただ黙って消えるつもりはない。
この身が使える唯一の魔術は、一人でも多くの生命を救う為にあるのだから………。
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