暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生の来日
第二幕 日本という国をその五
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「王子のシェフのお料理は久し振りだからね」
「楽しみなんだね、先生も」
「美味しいものを食べられるに越したことはないよ」
「そうだよね、じゃあね」
「うん、今からね」
 その王子のシェフの人が作ってくれたお料理を皆で食べることになりました。そうして持って来られたものはといいますと。
 お鍋でした、大きなお鍋に薄く切られた牛肉が一杯入っています、その他には。
 四角く切った白いものに薄灰色から茶色くなっていくヌードルみたいなもの、切られた葱に茸、それと何かスポンジみたいなものも入っています。鍋の色は全体的に黒いです。
 このお鍋は何か、先生は一目見て言いました。
「すき焼きだね」
「そうだよ、これがね」
 そのすき焼きだとです、王子も答えます。
「さっきもお話に出たけれど」
「これがだね」
「白いのはお豆腐だよ」
 まずは白いものは何かとお話する王子でした。
「ヌードルみたいなのは糸蒟蒻なんだ」
「日本の食材だね」
「蒟蒻芋っていうものから作るらしいんだ」
 王子はこのこともお話するのでした。
「それで茸はシメジや舞茸だよ」
「ふうん、茸もなんだ」
「茸も入っているんだ」
 動物達はそのすき焼きを見つつ言います。
「ソースのお鍋の中に」
「そういうのも入れるんだ」
「これはソイソースだよ」
 今度はお鍋を黒くしているもののこともお話されるのでした。
「日本のソース、大豆から作るソースなんだ」
「日本ではお醤油というそうだね」
 先生はこう言いました、その黒いぐつぐつと煮えているお鍋を見ながら。
「そうだったね」
「そうだよ、日本ではそう言うよ」
「やっぱりそうだね」
「それでね、このスポンジみたいなのはね」 
 実は皆が一番不思議がって見ているもののお話もされます、それは何かといいますと。
「麸っていうんだ、パンの小さいものかな」
「日本ではこうしたのも食べるんだね」
「結構見るよ、それで美味しいよ」
 こう先生にお話します。
「牛肉も一杯あるしね、だからね」
「今から皆でだね」
「これで食べるからね」
 王子はその手に二本の細長い棒を持っています、それは。
「お箸でね」
「ううん、それでなんだ」
 お箸を見てです、先生は難しい顔になって言うのでした。
「僕はお箸はね」
「苦手なんだ」
「日本料理のお店やアジアに行った時に使ったけれど」
 尚先生は日本には行ったことはありません、それで王子のお話にも目を輝かせていたのです。その未知のことを聞くことに対して。
「難しくてね」
「慣れだよ、これも」
 見れば王子は上手に使っています、そのお箸を。
「だから使っていればね」
「僕も出来るかな」
「すぐに出来るよ、それと日本のお料理だから」
 見れば持って来
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ