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聖戦のデルタ
『第五次世界大戦』の部
レクエムの章
第三話『泰河と恵奈』
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ために、小鳥遊の家に『飛ぶ』ことが出来なかった。
「恵奈がおせぇからだぞ」
唇を尖らせて言う小鳥遊。
「違うよ!翔馬がいきなり私の手を掴むから!」
恵奈は深〜いため息をつくと歩き出し、
「もう、能力源を使い果たしちゃったじゃない!」
と言った。
「能力源?」
小鳥遊が首を傾げて言った。いかにも馬鹿っぽい顔で。
「翔馬はそんな事も知らないの?能力源っていうのは、能力使用時に消費する力の事よ。主に睡眠や食事などをすることで補給されるわ」
「詳しいんだな」


***


「詳しいんだな」
小鳥遊はそう言って歩き出した。
「まぁね。能力者が能力関係の学科を学ぶのは当然でしょう?」
「そうなのか?」
「そうよ。基本的に能力使用に関する法や、脳科学と能力についてとか。結構な数があって、大変なのよ?」
「ふーん」
素っ気ない返事を返す小鳥遊。
「ま、無能力者の翔馬には関係ないでしょうけど?」

空き地を出て少し歩くとビルが立ち並ぶ街中に出た。
先程とは打って変わって、人がいない。皆帰宅し、今後に備えているのだろうか。
小鳥遊は、腕時計を見て
「今は、15:25だ。急がねぇと!」
小鳥遊は焦りを感じ始めていた。
「…………」
恵奈が無言で小鳥遊の横顔を見つめる。
小鳥遊には数台のバイクがこちらへ走ってくるのが見えた。
「恵奈はさぁ、泰河の連絡先知ってるか?」
「いいえ……」
恵奈が首を振り、
「ただ……泰河は、この街にいるはずよ。泰河が昔、そう言ってたから」
と言ったと同時に、

ブォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオン!

数台の大型バイクがすぐ側を通った。

「真昼間っからうるせーなぁ」
小鳥遊がダルそうに言った。表情からしてダルそう。
小鳥遊が言い終えた瞬間に大型バイク達がUターンした。
「あれ?俺の一言、聞こえてたかな?」
小鳥遊が少しビビる。
バイクに乗っている奴らの内、1人の男が降りてきて言った。
「俺になんかようか?」
だが意外に意外、男は小鳥遊ではなく恵奈に話し掛けた。
「鳥取泰河という男を探しているのだけれど、中々見つからなくて困っているの」
恵奈は平然と対応した。
「だ・か・ら、俺が鳥取泰河だっつうの!」
「「へ……?」」
小鳥遊も恵奈も目を丸くして言った。
その様子を見た泰河が言った。
「なんだお前ら……気持ち悪りぃ……」
それでも恵奈が言った。
「恵奈!」
「あ?なんだ?」
泰河はまるっきり分かっていない。
「私の名前!佐原恵奈!」
「佐原……恵奈……あぁ恵奈か!」
泰河が言った。
「懐かしいなぁ!恵奈か!」
泰河の顔がパッと明るくなった。
そして小鳥遊は、隙ありとばかりに
「んで俺は小鳥遊翔馬!
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