第七十八話 諸行無常
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アッカに対して説明した。
「この機体、些か癖が強すぎる。並のパイロットでは乗りこなせん。俺が乗っても構わんだろうが、先ほど言ったようにこいつは射撃向きの機体だ。ならお前の方が適任だろう。俺の副官をやっているのならこのくらいの機体、乗りこなしてみせろ」
「やれやれ、無茶いうぜ。ま、そういう事なら仕方ねえか」
ディアッカはイザークがそこまで言うならと自分が機体に乗る事を了承する。ジュール隊に補充された新たな機体はイザークやディアッカ、他の隊の隊長やシホといったエース、機体を失ったパイロットが受け取る。
その中でイザークは少数生産されている最新鋭のゲルググタイプの一機であるリゲルグを、ディアッカはイザークの申請によって補充された同じく最新鋭の青いMSケンプファーを受領した。
◇
「さしずめ、ミネルバ側についた彼らは英雄派とでもいった所かな?」
議長が演説を行った後、状況を理解した者の多くはミネルバか議長のどちらかにつくことを選択した。中には中道・日和見を決め込む者もいたが、時間がたつにつれてその数が少なくなることは想像するにたやすい。ともかく、今やザフトの勢力は二分したといっても過言ではなかった。
「しかし、愚かなことです。いくら英雄であってもギルに従わないというのならば、己の才能を生かすことが出来ないただの殺戮者に成り下がるだけだというのに」
レジェンドに乗ってアスランとマーレを抹殺しようとしたレイは議長の部屋からクラウが退出した後に、議長の所に来ており、レイは議長と話をしていた。軍人として生きることを定められたのならば上層部に逆らうというこの行いは確実にただの反逆者でしかない。レイはそう主張するが、議長は一概にそう思っているわけでもないようだ。
「そう言ってやるな、レイ。人は己の在り方を知らぬことに恐怖を覚えると同時に、知る事に対しても躊躇いを持っている。そういった恐怖心から逃れるために彼らもまた徒党を組まざる得ないのだよ」
「ですが――――」
議長はそれを今の段階でミネルバ側についた彼らやミネルバを直接議長は罰するつもりはなかった。寧ろ、彼はこうやって一つの勢力となる事を受け入れてすらいた。
「英雄の絶対条件に自分達の勢力につくという条件は存在しない。英雄に善悪の区別は必要であっても敵味方に条件があるというわけではない。だから我々が悪役であるというわけでもなく、彼らが必ずしも正義の味方であるということもない。そこにあるのはただ英雄と名付けられた立場だけだ」
「しかし、そうであったとしても立場というものは十分に強大です。それを何故わざわざ?クラウに止めさせなければあのままレジェンドで斃して――――!」
「今はそこまでリスクを負う場面ではない。少なく
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