暁 〜小説投稿サイト〜
26歳会社員をSAOにぶち込んで見た。
第五話 DeadWars
[16/17]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
…。
 違うカードに、マーキングがついている。
 なんで……!?
 そう思った直後、背後から、小声が聞こえた。
「お嬢さん、マーキング行為はやるものではないですよ。 それを過信する余り、真実が見えなくなってしまう。
例えば、私が貴方にかけたターゲット変更スキルにすら気づかないほど、貴方の眼は衰えていたようですね」
 ……変更スキル……っ!
 私が、それを使ってると過程して、使ってきたっていうの……!?
 そうか……それなら、辻褄が合う。
 一戦目、私が果たしてそのスキルを使っているかを見て、二戦目の今、ここで仕掛けてきた……!
 あくまでも一戦目は、捨て試合だったって話ね……!
 やられた……。
 ただ、それだけを思って、山札からカードを出していく。
 結果は、惨敗。
 先にアルスの捨て札に20枚溜まり、清算へと入る。
 私の捨て札はわずか4枚。
「26……」
「166! ボーナスで四捨五入して170だ!」
 差異は144……ボロ負け……!
 さっきのを含めると、合計で61Mの敗北……。
 破産はしないけど……痛い負けだ。
「……やられたわ。 よくぞ、見抜いたわね」
 私は渋々とアルスへと144Mを渡しながら呟くと、アルスは意地の悪い笑みを見せて。
「やったのは、俺じゃなくお前の後ろにいるクーレイトと、俺の後ろにいる玖渚だ。
まぁ、あそこまで上手くいくとは思わなかったけどな」
 そう言って、アルスは立ち上がる。
「さて、とっととこの背中のトゲゾーを抜いてもらうか。 このままじゃ全裸になっちまうぜ」
 彼がそう口にすると、周りからオレンジカーソルのジャッジ達が集まり、背中に刺さっていた武器を全て抜いた。
 その瞬間、ホールから歓声が上がる。
「すげぇぞ! 兄ちゃん、あのスユアを倒すなんてよ!」
「おい! 今勝った金で勝負しようぜ! 俺の得意なポーカーで!」
「逃げんなよ! 大富豪で青天井やるぞ!」
 次々と投げかけられる言葉に。
「あ〜、いやいや、どーもどーも。 この金は自分らのギルドの家買うために必要なわけで……。
というかこっちは命がけだったんですよ! マジで!」
 アルスは社会人らしく、腰を折りながら解釈をしていた。
 こう見ると、さっきの勝負とのギャップが凄まじい。
 ……面白いわね。
 玖渚、クーレイト、そしてアルス……。
 この子達のようなチームワークがあれば、イカサマして勝たなくたって、面白いのかな……。




―――――



 翌日、25層の宿。
 俺達ディラックは、天乃の一室へと集まっていた。
「はい、朝礼しまーす……じゃなかった、社会人の時の癖がついちまってるな……」
 天乃がそう言ってボリボリと頭を掻くと、その場で笑いが起こる。
 
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ