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Epos5八神家の日常〜Pet Capriccio〜
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ちょっ、やだっ、そんなところを舐めないでぇぇーーー!」

犬の標的にされたシャマルと、犬を引き剥がそうとするシグナムを横目に、『ルシル。お前いまどこだ?』犬のご飯を買いに行ったルシルに思念通話を通すと、アイツは『玄関前だけど。何かあったか?』そう答えた。遅れてガチャっと玄関扉を開けた音と、「ただいまー」そんな挨拶が聞こえてきた。ルシルが手ぶらでリビングに入って来た。

「おかえりー」

「おい、手ぶらじゃねぇか」

「俺ひとりじゃ持ち切れなかったからな・・・。我が手に携えしは確かなる幻想」

ルシルがそう詠唱すると、あたしらの前に色んな物がドサッと置かれ始めた。犬のイラストが描かれた袋が2つ、皿も何枚か、犬用の寝台みたいなヤツ、シャンプーとかブラシとか。あと柵だ。

「早速暴れているな。結構やんちゃ犬らしいからなぁ、ヨーキーは。・・・ほら、それくらいにしておいてあげてくれ」

這って逃げ回るシャマルの足の裏を舐めてた犬がルシルによって引き離された。

「はぁはぁはぁ・・・、あ、ありが、とう・・ルシル、君・・・」

息遣いの荒いシャマルから礼を言われたルシルは「っ!・・・いや、うん。いいんだ」判り辛いけど顔を赤くしてシャマルから目を逸らした。まぁ、今のシャマルは色っぽいよな。

「こんなに買ってきてくれたん? お金、払うわ。いくらやった?」

「いいよ。全部合わせても1万もしないし、いくつか俺の私物もあるし」

はやてとルシルのそんな会話を聞きながら、早速ご飯の袋からお菓子みてぇなコロコロしたヤツを皿の中に移す。犬ががっつくようにさらに顔を突っ込もうとした。

――ディフェンサー――

「はい、ストップだ」

ご飯の皿に半球状のバリアが張られて、犬がキャン!?って衝突してズリズリと床に伏した。あたしは「何すんだ!?」ルシルを問い質す。ルシルは自分に吠えまくる犬の前で片膝立ちして「躾けが必要だろう。食事の前には、待て、だ。食事前の基本的な躾けだ」そう言って、ルシルはあたしに犬の躾け方をいろいろ話した。なんであたしなんだろ、って思ってたけど・・・。

「待て、犬」

ルシルがやっても言うことを聴かなかった犬だったのにあたしがやったら大人しくなった。ルシルが言うには犬を助けたのがあたしだったから、らしい。その思いをルシルが犬から感じ取ったってことだ。

「――でも、はやてちゃん。このままその子、飼うわけじゃないですよね?」

昼ご飯を食ってる中、シャマルが犬を警戒しながらはやてにそんなことを訊いた。真っ先に「おい、外に放り出せってのか?」あたしがシャマルに噛み付く。

「だってだってぇ。その子、私のことばっかり・・・うぅ」

「ごめんな、シャマル。飼うこと事態は構わへんのやけど・・
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