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Epos5八神家の日常〜Pet Capriccio〜
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かは判らへんけど、放っておけへんから連れて帰ろうって思うたんやけど・・・」

「連れて帰るってそんな簡単に・・・」

渋るルシルに「ほっとけって言うのかよ」半眼を向ける。はやての言うことは絶対だ。あたしはもう、そう決めたんだ。

「ルシル君」

「ルシル」

「・・・ルシリオン。仕方あるまい」

「・・・・判った。連れて帰ろう」

あたしらに見詰められたルシルは嘆息。そしてあたしらに腕に提げてた3本の傘を差し出して「先に帰っていてくれ。その子用のペットフードを買ってくるよ」そう言って走り出した。はやてが「お金!」って呼び止めるけど「俺持ちでいいよ!」止まることはなかった。で、犬を家に連れて帰って来たわけだけど。

「きゃぁぁぁぁっ!」

シャマルの悲鳴が。

「んなっ!?」

シグナムの絶句する声が。

「むおっ!?」

ザフィーラの苦悶の声が。犬がこの家に来てたった10分でこれだ。犬は、最初は大人しかったけど、風呂に入れて毛を乾かした途端に暴走しだした。シャマルのお気に入りの服の上で用を足して、シグナムの湯飲みをひっくり返して割って、ザフィーラの揺れる尻尾に噛み付いた。

「ひーん。私のお洋服がおしっこ塗れに〜(泣)」

「湯呑みが・・・私の・・・湯呑み」

「ぅく・・・」

「あちゃあ・・・大暴れさんやなぁ〜・・・」

なんでかソファに座ってるあたしの所へ駆け寄って来た犬は前脚をあたしの脚に掛けてきた。しかもウルウルしてる目だから、なんつうか、こう、胸がキュンとなる。犬を抱き上げて膝の上に乗せる。するとワンワンって尻尾を振りながら鳴いた。

「ヴィータちゃん!」「ヴィータ!」

「そう目くじらを立てんなよ2人とも。犬のしたことだろ。ザフィーラを見ろよ。耐えてんじゃねぇか。シャマルのは洗えばいいし、シグナムのは買い直せばいいじゃねぇかよ。なあ、犬?」

偶然かもしんねぇけど返事するかのようにワンって1回鳴いた。尻尾をフリフリしてあたしの顔をペロペロ舐めてきて、「あはは。くすぐってぇって」引き離そうとするけど離れない。

「むぅ。はやてちゃん・・・(涙)」「主はやて・・・」

「堪忍したってな、シャマル、シグナム。犬やから」

「「はい・・・」」

はやての言葉に大人しくなった2人を犬がへっへっへっへっ、って息遣いで眺める。けどそれが2人にとって自分たちを馬鹿にする笑い声のように聞こえたみてぇでこめかみに血管を浮かべた。

「ヴィータちゃん」「ヴィータ」

形だけの笑顔を向けてくるシャマルとシグナム。戦略的撤退と即判断。ソファの背もたれを跳び越える。

「その子を寄越しなさい!」「ソイツを寄越せ!」

2人が追ってくる気配。だけど「よさないか、
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