暁 〜小説投稿サイト〜
蘇生してチート手に入れたのに執事になりました
握手は必ず右手
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「さて、この腑抜けたコイツはどうしてくれようか?」
突如現れた目の前の男は至って呑気な様子でそんなことを呟いた。
痩せていて、身長が高く、ひょろりとしている。
くせがある髪の毛、品の良さそうな端正な顔立ち。身につけているものも、まるで王族が着ているようなものだ。
それだけ見ると、金持ちのぼんぼんに見えるが、目つきだけが違った。
目はとても鋭く、見ているものが凍てつくような、勿論比喩だが、そんな目だ。
なにより目をひくのは後ろに担いでいる大きな鎌。鎌自体で、この男の身体の大きさを超えている。
その鎌には、さきほど切ったばかりのSP二人、そして真の血がべったりとついていた。
鎌の刃の部分がギラギラと光る。鎌が通常より大きいため、刃の部分もやたらと大きかった。
太い素っ気無い棒と、その先に付いている異常な大きさの刃。見てくれだけはただの大きい鎌だが・・・。
コイツもマントを羽織っている。このタイミングで現れたことを鑑みても当然のように死神だろう。
おそらく持っている武器にもなんらかの能力があるはずだ。
しかし、今はその能力を考えている余裕などなかった。
歓喜に身を浸していた宏助達をまた無理やり先程の状況に引き戻したのはこの男だ。
斬られたSP二人は地面に転がっていて、切り口から血が流れ続けている。
真はこの男の細い腕に掴まれ、持ち上げられていた。
この男と自分たちとの距離はわずか数メートル。
しかし、この男からは、誰にも近寄れないような威圧感が漂っていた。
第一、いきなり現れ、仲間を斬り、真までをも斬った、この男に皆、動揺していた。
そんな動揺からいち早く立ち直ったのは明だ。
「何をしてるんです、皆さん!仲間が斬られたんですよ!おそらくこの男も、死神です!
そもそも仲間を斬るような男に、手加減などしなくていいはずッ!さぁ、みなさん、自分の役割を果たして下さい!」
明が皆に活をいれ、そのまま全員が動き出す。
「そうだッ!とりあえず斬られたアイツらを助けねぇと。」
「みなさん、援護班を補助!一斉射撃ですっ!」
麗の素早い指示出しのもと、数人が死神の元に向かい、それを他全員が拳銃を構え、援護射撃の構えに入る。
宏助が呆けている間に、既にここまで救助体制が確立していた。
ここではやはり、自分の護衛としての経験の無さを痛感する部分だ。
「うてぇっつ!」
麗の号令の下に正確に数多くの弾丸が放たれる。仲間はその弾丸を避けて、仲間を救う図式だ
しかし、死神の前で、援護射撃は、最早、援護にすらならず、命を仕留めるなど不可能だと、
「少し、お前らは黙ってろ。」
「・・・・・・!!!」
・・・・分かってしまう。
なんとあの死神の持つ鎌を一振りしたと思った瞬間。
空中にあるはずの弾丸、救援に向かった数名のSP、そして地
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ