13-2話 黒木 七実side
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五也がゆっくりと体を起こし頭を軽く振る。
「よ、よう目が覚めたんだな」
「ん、ああ、黒木か……いつつ………」
声を掛けると五也は首を痛めたのか手を当てて痛がった。
そして俺は冷や汗が止まる気配がない。
「そういえばお前は今日到着だったな」
「お、おうよ」
「無事到着………してないな」
そう言われて俺の格好を改めて見る。
服が見事にズタボロ土まみれだな。
「ついさっき東中崎さんにボコられたんだよな」
やっべえ! 京介の奴超にやにやしてるぅうう!!
「東中崎さんにか……ついてなかったな」
「そーそーついてなかったんだよねい」
一目散に逃げた奴が何言ってんだと言いたくなったけど、京介の不気味な笑いに咄嗟に動けなかった。
「でさあ林道、お前本当に東中崎さんだけにやられたのか?」
やぁめえてぇえええ!!
「なんか引っかかる言い方だな?」
「それはあ「でりゃあ!!」むぐっ!!」
真実を暴露されそうになった俺がとれた行動は京介の背後に回り、口を全力で両手を使って塞ぐことだけだった。
「ん〜〜〜〜!! んぐーーーーー!!」
当然京介は両手両足を振り乱して暴れるが、華奢な体を力付くで押さえ込む。
「おい何をしているんだ?」
「な、何でもない! 何でもないから気にすんなって!」
眉をひそめた五也からの視線と、さっきから延々続いている京介の肘打ちや踏みつけが辛いが我慢あるのみ!
兎に角この場を誤魔化し切るためにも話を逸らさねえと。
「そ、そういえばさあ! 結局東中崎さんって一体何なのか教えてくんねえ!?」
「……………そうだな、あの人はバルバトスの中の人で」
「あ、い、いや、そこら辺は京介から聞いてるわ!」
「む、そうか」
不自然に声が大きくなって、明らかに怪しいのに流してくれる五也さんマジ天s──。
男に天使はねえな、……………えっとマジ聖人?
なんかスケールがでかくなったな。
「じゃあ一体何を聞きたいんだ?」
「えーと、それはその……………」
ヤバイ、焦りすぎて頭が回んねえ、聞きたいこと結構あったはずなのにひとつも思い浮かばねえ。
その場逃れの誤魔化しであることはモロバレらしく、林道はため息を吐く。
「まあ、とりあえず京介を解放してやれ」
「い?」
五也に促されて気づいたけど、いつの間にか京介の抵抗がなくなっていた。
嫌な予感がする。
とてつもなく嫌な予感が。
恐る恐る視線を落とすと────。
地球は青かった。
そんな名言が思い出されるほど、京介の顔面が青くなっていた。
ついでに白目を剥いて口元から
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