13-2話 黒木 七実side
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「下?」
白目をむいて地面に仰向けにめり込んでいる五也と目があった。
「うおぉぉおおおわ!?」
思わず転がるように距離をとった。
いや仕方ねえってだって下手な心霊写真とかよりよっぽど心臓に悪かったんだよ。
「中々斬新な悲鳴だ、わざわざここまで運んできて林道が後ろになるように放り投げ、もとい配置したかいがあったというものだ」
「最初に感じた背中の痛みはお前のせいか!」
「まあ、とりあえずそいつ引っこ抜いてくれ、俺じゃ腕力足りなかった」
「とことんマイペースだなおい! つーかどーやったらこんなことになるんだよ!!」
「東中崎さんに叩きつけられたんじゃないかなと」
「東中崎さんパネエェエエ!!」
俺よく生き残れたな!!
兎に角このまま五也を放置するわけにもいかないので、まずは腕を掴もうとしたけど完璧に隙間無く地面に埋まっていて手が入らない、服を掴んでもびくともしない。
なにこのめり込み具合、全く動かねえんですけど。
「京介も見てないで手伝えよ」
「ん? 何でよ?」
何故か京介の返事は不思議そうなものだった。
「何でってお前、俺一人じゃ無理っぽいからだって」
「別に無理じゃないだろうよ、お前特典で空間操作の才能もらったんだしそれで移動させればいいだろうよ」
………忘れてたわけじゃねえよ、そ、そりゃちょっと使いどころが少なくて影が薄かったかもしんねえけど……。
つーかなんだかんだ言って今まで一度も使ってないんだよな。
後、実を言うと“幻覚魔法の才能”と“移動魔法の才能”って言うつもりがミスったんだよな。
このリリカル☆マジカルな世界で“有幻覚を作れるだけの才能”と“空間操作の才能”がどれだけ意味があることやら。
正直言って不安要素が大きいからあんまし使いたくないんだよな。
つってもこのままじゃ埒があかねえしな、しゃあねえから試してみるか。
とりあえず五也に触れて上へと移動させるイメージを頭の中で繰り返す。
「転送開始!」
仕組みなんてものはわからないので兎に角ノリと感覚で発動させる。
ヒュン、という音と共に五也の姿はその場から消えた。
「っしゃあ! 成功!」
ついガッツポーズを決める。
バキッ! メキメキッ! ドシャ!
次の瞬間五也が木の枝をへし折りつつ落下してきて、地面に叩きつけられた。
「「…………」」
痛いほどの沈黙が場を支配した。
こんな時に限って普段ふざけっぱなしの京介まで沈黙を保っている。
頼むよふざけろよ! ふざけてこの空気を打破してくれよ!!
「う………ぐ………」
五也のうめき声に体がビクリと反応したのを感じた。
そして、
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