13-2話 黒木 七実side
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確かについさっきバルバトスの攻撃をモロに受けた森の中で間違いなさそうだ。
「よう、目が覚めた?」
何とか首だけを動かして声の方を向くとそこには案の定、京介がムカつくぐらいに落ち着き払った姿勢で座っているのが確認できた。
「誰かさんが勝手に逃げ出したおかげで十二分にな」
「そりゃあなによりで」
やっぱ嫌みは通用しないか。
「つーかお前薄情すぎんじゃねぇの」
「しょうがないじゃん、2人とも倒れたらこうやってお前を運んでくることすらできなかったんだからさ」
「かもしんねえけどよ」
なんか納得行かないんだよ。
つってもいつまでもうじうじ言ってても仕方ないか。
「しゃあねえ、もう責めねえよ」
「ありがとさん」
「んで? さっきの奴は一体何だったんだよ?」
野生の穴子さんとか洒落になんねえぞ。
「東中崎さんのことか?」
「いや誰だよ」
本気で誰だよ東中崎って。
「バルバトスの中の人」
「いや声優さんは若本規夫さんだろ」
いろんなゲームやアニメのラスボスとか強敵とかの声をしてる人だったはずだ。
多分一番知名度が高いのは「ふ〜ぐたく〜ん」で有名な、お台場にも一時期現れたらしい穴子さんだろう。
「あ、言い忘れてたけどあのバルバトス転生者だから」
「中の人ってそっちかよ!?」
一体どんな感性をしていたらわざわざバルバトスになろうと思うんだよ!
「ちなみにあれは特典とかいらないって言ったら神様の趣味で嬉々として決められたらしいぞ」
「特典なのに明らかに得してる奴が違うじゃねえか!!」
「それとあの人普段は意外と紳士だぞ」
「想像できねぇええええ!!」
思わず上半身を跳ね起こしてシャウトしてしまったが俺は悪くないと思う。
「まあ、東中崎さんの話はいいや」
「いやまだ聞きたいことが山ほどあるんだけど!?」
やばい最近俺がツッコミ役になりつつある、俺はどっちかっていうとボケ役なはずなのに。
早く五也と合流してツッコミ役を変わってもらわねーとな。
まだ東中崎っていう人について滅茶苦茶気になりはするけど、先に五也と合流してからでもいいだろ。
「ま、まあいいや、それより当初の目的を果たそうぜ、五也と合流するんだろ?」
「気が合うね、俺もちょうど林道について話を振ろうと思ってた」
「ん? そうなのか?」
どういう風の吹き回しかは知らないけどちょうどいいな。
「悪いけど後ろのやつ引っこ抜いてくんない?」
「後ろ?」
上半身を捻って後ろを向く、そこには特に何もなく森の中にしては少しは開けた空間が広がっているだけだった。
「下だ」
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