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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第39話 バルトマンの過去(中編)
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せるためのデバイスでそれを元に完成させたから機能の奴よりはしっくりくるだろう。どうだ、欲しいか………?」
「………その言い方だと何か裏があるな?」
「まあな。このデバイスは特注品だ、当然タダではやれない」
「俺に何をさせるつもりだ?殺しなら得意だが………潜入なんかは苦手だから難しいぞ?」
「こ、殺し………?せ、潜入………?」
1人、驚いているカリムを置いて、ロレンスはバルトの目を真っ直ぐ見て、こう告げた。
「聖王騎士団に入れ」
「………はぁ?」
「聞いてなかったのか?聖王騎士団に入れって言ったんだ」
「ふ、ふざけるな!!何で俺が軍隊みたいな所に入らなきゃらならない!!」
「軍隊じゃない、聖王教会を守る守護騎士だ」
「尚更だ!!俺は壊すのは得意だが、守るなんて事はした事ねえし、したくねえ!!何故俺よりも弱い奴を守らなきゃならない!!自分を守る為には強くなるしかない!!!世界の法則はこうだろうが!!!」
それはバルトの心の叫びでもあった。
教団から抜けた後、全てが上手くいった訳じゃ無かった。世界という言葉に釣られて出てみたが右も左も知らないバルトがいきなり成功するわけもなく、毎日生きるので精一杯だった。
「だからこそ俺は地べたを這いずり回りながらも生きるために誰も負けない強さを得た。死にそうになっても飢えて助けを求めても誰も助けてはくれない。誰かを守るだと?そんなバカバカしい事できるか!!!」
そんなバルトの言葉に返す言葉が無いカリムは口をもごもごさせるが言葉が出なかった。
バルトの言葉を否定する反論が思い浮かばなかった。
しかしロレンスは違った。
「そうか………だからお前は弱いんだ」
「何だと!?」
「ワシの強さを知りたければ騎士団に入り、学ぶがいい。だが1つ忠告しておく。今のお前のままでは確実にワシ以外の誰かに負ける。………例えこのガーフォルを使ってもな」
「俺がまた負けるだと………?」
「その理由は騎士団でやっていくうちに自ずと分かっていくだろう。………さあ?どうする?」
結果的にバルトの答えを覆すような答えでは無かったが、バルトはその誘いがとても気になっていた………
(俺とジジイ、一体何が違うんだ………)
「それで………?」
「バルトは騎士団に入ったわ」
「バルトさんの言っている事もちょっと分かるわ………私も両親がいなかったし、面倒を見てくれる人はおらんかった。だからこそ私は自分で料理を覚えたし、自分の出来ることは全て覚えた。私とバルトさんが違うのが私には石田先生みたいに助けてくれた人がおったって事やな………」
はやてのそんな言葉に重い雰囲気が更に重くなった。
「……
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