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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第39話 バルトマンの過去(中編)
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が悪いのか?」
「気にしないでください!!」

強くそう言われたため、バルトもそれ以上気にするのを止めた。

「………しかし色々あるんだな………」

行く道中、様々な物が目に入った。肖像画や油絵など芸術品もあれば聖王教会の歴史を表した年表までもあった。

「………これを売ったらどれだけの金になるか………」
「バルトさん………?」
「冗談だよ冗談」

睨まれて流石に謝るバルト。

(だが一つ位なら………深夜忍び込んで脱出ルートを今の内に考えておけば……)

「バルトさん、着きましたよ」

そうこう考えているうちに目的地に着いた。

「ここは?」
「私の父、騎士団長ロレンス?グラシアが居る部屋です」
「ほう、あのジジイがね………ん?騎士団長!?」
「そうです、言い換えれば騎士団含め、聖王教会最強と思っていただければと」
「なるほど………」

そう答えて自然と笑みがこぼれた。
そんなバルトに気づかず、カリムは扉をノックした。

「失礼します、バルトさんを連れてきました」
『おう、入れ』

扉の中から声が聞こえ、入ると広い部屋に中心に来賓用の椅子と机、そしてその奥にロレンスとメガネをかけた秘書らしき女性がそばに居た。

「其処に座ってくれ。………じゃあシエラ、報告書の提出よろしく頼む」
「………分かりました」

そう言って書類を持ち出口へと向かうシエラ。

「ご苦労様です」
「………ありがとうございます」

すれ違い様に声をかけたカリムにそう言って会釈し、部屋を出て行くシエラ。

「………?」

バルトはその時たまたま見えたシエラの表情に少々違和感を感じたが、気にせずロレンスの方を見た。

「元気そうだな」
「お陰さんで随分とスッキリした目覚めだったよ。………先ず先に聞きたいんだが俺の斧は何処だ?」
「ああ、あの斧なら処分したよ。全く、凄くお粗末なデバイスもどきだ」
「もどき………?」
「ああ、この設定だとただの魔力を喰らう斧だな。データ容量も少ないし、殆どデバイスを使って魔法を使っていないだろお前」
「………最後に使ったボルティックブレイカーだけだ。他は自分の力で魔法を使っている」
「ええっ!?」
「全く、末恐ろしい事を平然とやるなお前は………」

と2人に驚かれるが当の本人は何故そこまでそんな反応になるのかよく分かっていなかった。

「さて、色々お前に興味が湧いた。悪いが検査に付き合ってもらえるか?」
「検査だと?一体何を調べるつもりだ………?」

殺気を込めた目でロレンスを見つめるバルトだが、ロレンスは全く気にせず豪快に笑った。

「ははは!!!安心しろ、別に体をいじくったりしねえさ。ただお前さん自身の実力を知りたくないか?」

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