暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
闇の中で〜
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に周り、斬るが・・・

「だから・・・痛いなぁ!」

怯まず、すぐに槍を水平に振ってくる。

「!?」


葬解で防ぎ、そのまま殴り飛ばす。

「大技だ・・・!」

擬音に気を溜め、光の剣を生み出す。

「鈴音罰殺斬!砕けろぉ!」


斬りつけ、破片を飛ばし・・・光に包まれた。

「・・・」

サチの姿は・・・ない。俺は急いでサチを壁から引っ張り出す。

「サチ!しっかりして・・・サチ!」

呼び掛けるとサチがゆっくりと目を開いた。

「・・・りょ、う・・・」

「ほっ・・・よかっ」


ザシュ

「あ・・・?」

「ひっ・・・」

腹から、槍が生えていた。

「ダメだよ、しっかり倒したか確認もしないでさぁ・・・」

「くっ・・・」

槍が引き抜かれ、俺は崩れ落ちる。

「亮!?」

「う・・・く、くそ・・・!」

身体が・・・重い・・・頭に声が響く・・・!!


「諦めてよ。ねえ私?このままなら亮といられるよ?だから取り込んじゃおうよ」

「・・・」

「っ・・・」

「・・・嫌」

「サチ・・・」

「・・・ずっと、あなた達の感情の中で・・・ただ、怖いってだけしか思ってなかった。けど・・・」

サチがゆっくりと偽物に向かって歩く。

「亮が来てくれて、今こうやって起きてあなたと話して・・・わかったの」

「・・・何が?」

「恨みとか、怒りとか・・・それよりも、寂しい・・・んだよね?」

「はぁ?何を・・・」

「だって、今私の中にある感情は誰かをずっと求めている。同じ苦しみを持つ人、その苦しみを理解してくれる人」

「・・・ワケわかんない。いきなり語り出して・・・そんな陳腐な理由で・・・」

「陳腐じゃないよ。・・・だって、同じだから」

「は?同じ?」

「私の記憶にあるでしょ?私もずっと苦しんでたから・・・それと似てたから、だからあなた達の気持ちが分かったんだよ」

「・・・分かったとしてなんなのよ。アンタが何をするのよ!!」

「・・・何もしてあげられない。ただ、苦しみを理解して、慰めることしか・・・私には出来ない」

「あんたバカ!?ここに何種類の闇が・・・負の感情があると思ってんのよ!」

「解らないけど。でも全員慰めて上げる。苦しみを共有してあげる。絶対に一人も見捨てない。それが・・・約束だから」

「サチ・・・」

サチがニッコリと笑う。


「亮、約束守ってくれたね。だから、今度は私が約束を守る番」



サチが、もう一人のサチを抱き締めた。

「・・・今まで、こんなに苦しかったのに・・・偉かったね。ずーっと頑張ってたんだよね」

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