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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
新たなる力へ
Trick61_私ギブアップ
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う兄貴分はとても大きな存在だった。
一緒に住んでいたのも1ヵ月ほど。過ごした期間も半年だ。

だが、その半年の期間で能力をレベル1からレベル3に上げていた。
もちろん美琴の努力があってこその成長だが、その成長に信乃が関わっていた。

自分が困った時には助けてくれる。行き詰っていたら的確なアドバイスをくれる。
幼い美琴にはヒーローに感じていた。
と、同時に身近な存在でもあった。学園都市の能力判定ではレベル0。自分よりも下だ。
でも優しかった。勉強を頑張っていた。すごい人たと常に思っていた。

だから美琴は、学園都市のレベルを上げても、レベルの低い人間を見下す事は無かった。
努力を当たり前と考えていられた。

そんな信乃だからこそ、学園都市で7人しかいない超能力者(レベル5)の自分を
負けさせてくれると思っていた。

自分の誇りを、妹さえ満足に助けられない誇り(プライド)を壊せてくれると思っていた。

「信乃にーちゃん、私ギブアップ」

美琴は両腕を軽く上げ、お手上げのポーズで負けを宣言した。

「まだ10殺してないぞ」

「いいよ・・・時間の問題だし、超電磁砲も防がれたし、充分だよ」

「・・・大丈夫か? 自分が望んだとはいえ、プライドとか壊れたけど」

「うん、砕かれた。
 やっぱり、信乃にーちゃん、気付いていたんだ。
 私が全力を出して負けたかった事」

「ま、なんとなくな」

「そっか・・・信乃にーちゃんは、なんでもお見通しだね」

「・・・慰めてほしいなら、美雪の所に行け。俺の役割じゃない」

「ひどいなー。可愛い妹分が落ち込んでいるのに手を貸さないの?」

「俺は厳しくすること専門だ」

「じゃあ、お願いしていい? 厳しくすること」

「何をして欲しいんだ」

「鍛えてほしいの・・・・

 信乃にーちゃん、私にA・Tを教えてください!」



つづく

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