第十話 『囚われの南の神』
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クロスされていた槍が真っ直ぐになり神殿に入れるようになった。私たちは早足で神殿に入った。
エ「ふぅ〜。」
人気のない所で私たちは鎧と兜を脱いだ。シャルルもショルダーバックから這い出る。
シャ「ウェンディったら、あんなに演技が上手だったなんてね。」
ウェ「前に『トーヤさん』に教えてもらったの。役に立ててよかったぁ〜。」
あいつ、いつの間にウェンディに演技を・・・今回は感謝しないとな。
エ「さて、神殿に潜入出来たのはいいが・・・」
ウェ「どっちに行けばいいんでしょうか?」
前にも後ろにも、右にも左にも道がある。まるで迷宮のようだ。
シャ「もう、こんなところで迷ったら二度と出られなくなっちゃいそうね。」
シャルルが辺りを見回しながら数歩歩くと、ポシュッと音がした。
シャ「えっ?」
見ると、シャルルの足元の地面だけが引っ込んでいる。すると、ガタンッ!!と音を立てて地面が内側に開いた。もちろん、足場の無くなった私たちは・・・
ウェ「キャアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」
シャ「何なのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
エ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
そのまま口を開けた真っ暗な闇の底に真っ逆さまに落ちていった。私たちを飲み込んだ後、地面はゆっくりと元に戻った。
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エ「・・・ん・・・いっ!」
気がつくと、私は真っ暗な闇の中にいた。上を見上げても何も見えないが、かなり深い所まで落ちたのが分かる。そのせいで頭を強く打ち付けたみたいだ。
ウェ「エ、エルザさん・・・痛ッ!」
シャ「な、何で神殿の地面に罠があるのよ〜・・・」
すぐ傍でウェンディとシャルルの声が聞こえた。二人も頭を打ち付けたみたいだ。
エ「無事か?」
ウェ「はい。私は大丈夫です。」
シャ「私も平気よ。でも、私のせいでこんな所に落ちちゃったもんね・・・」
ウェ「そんな、シャルルのせいじゃないよ。あそこに罠が仕掛けてあったなんて知らなかったんだ
し・・・」
ウェンディが必死にシャルルを励ます。その間にだんだん目が暗闇に慣れてきた。
エ「!」
ウェ「エルザさん?」
シャ「ど、どうしたの?」
微かだが、人の気配を感じた。私達の他に誰かがいる。暗闇に目を凝らす。どうやら私達が落ちたのは神殿の地下のようだ。更に目を凝らして見ると、
エ「じゅ、十字架ッ!?」
ウェ「ひぃぃぃっ!!」
シャ「な、
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