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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第六五幕 「反省会」
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感覚が崩れたり血流悪くなってたりするもんっす」
「休めって言われたのに・・・IS壊して迷惑かけた挙句先輩にも迷惑かけて・・・はぁ、駄目ですね私」
「だ、駄目なんかじゃないっす!」
駄目なんかじゃない。最新鋭の高性能IS相手に最後まであきらめず食いついたのはたとえ負けたとしても賞賛に値する。それだけでなく壊したISの修理を率先して手伝うこともだ。壊したISを放り出して謝りもしない操縦者だっている中でこれだけ手伝ってくれたことには、現場の全員が報われる思いだった。そんな行動が駄目なんてことはない。何より、これで駄目なら自分は何なのだという不安の様なものがこみ上げて、つい声を荒げてしまった。
大声を出したせいか、それとも佐藤が倒れたせいか、周囲の目線は自分たちに集中している。佐藤自身もポカンとこちらを見上げていた。「しまった」と後悔するも時すでに遅し、完全に周囲が自分の言葉の続きを待っている。目立ってしまう事に少なくない羞恥と謎のプレッシャーを感じつつもなんとか思いを言葉にした。
「・・・整備士はISを見れば操縦者の事が大体わかるっす。あのラファールはスラスター周りは吹っ飛んじまいましたが、パーツや冷却系の摩耗の仕方を見ればどんな機動をしてたかもわかるっす。あのラファールは壊れないように、負荷がかかりすぎないようにすごい丁寧に操縦されたってすぐ分かったっすよ」
無理な機動をすればバランスを崩し脚部の装甲がぶつかり傷が付く。排熱量が多すぎれば冷却系の摩耗度も格段に上がるし、ヘタクソに限って無理にISを振り回すからフレームのジョイントが歪んで異音を立てることだってある。佐藤のラファールには調べた限り、それが無かった。念入りに整備され、操縦者がベストパフォーマンスを発揮できるように調整したISを大事にしてくれるのならば、それは整備士と操縦者の関係の理想形と言って過言ではない。
「整備士にとってこれだけ嬉しい事は無いんっすよ?だからもうちょい自分に自信を持ってください。修理の手伝い、本当に助かりました」
唖然とした表情の佐藤に言い聞かせるように、自分でも少し驚くほどすらすらと私は伝えた。
・・・何臭い事を言ってるんだろう。周囲の沈黙が痛い。佐藤は驚いたような顔をしているが、「何言ってるか分かんないです」とか返されたら私の心は確実に折れると思う。やや遅れて、佐藤が口を開いた。
「ぁ・・・っと、はい。私も色々ありがとうございました。また先輩の世話になるかもしれませんけど・・・その時は、よろしくお願いします」
そう言って佐藤はまたはにかむ。―――畜生、可愛い後輩っすね。
そんなこと言われたらもう嫉妬とか羨ましいとか言えないじゃないっすか。
嫌とか絶対言えないっす。佐藤は悪い子っすね・・・
「YURIIIIIII
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