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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第六五幕 「反省会」
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のものの顔で整備を進める佐藤の横顔はどこか凛々しさを感じさせ、自然と周囲の注目を集めていた。
学園内では特別美人の部類に入らない顔立ちの少女はしかし、現在は注目の的になっている。量産機で専用機を翻弄し、世界に4人しかいない男性操縦に背中を任せられた才女。正に「選ばれた人間」と言えるだろう。
うらやましいな、と夕貴は思った。
彼女は学園2年生の整備課に所属している。整備課に所属する生徒は大体2種類いて、最初からIS開発などの進路を目指している生徒と、操縦者としてやっていく自信がなくより競争率の低い道を選んだ生徒の2種に分けられる。
操縦者志願は将来テストパイロットか軍人、もしくはIS学園の教員となる。しかしISコアの数が限られている以上、採用される操縦者の人数も当然限られてくる。操縦者一本は茨の道と言ってもいい。比べてIS整備士はまだ世界的に数が多くないこともあって大体の生徒はどこかしらに需要が存在する。何よりIS自体世界最先端の工学技術で作られているため、IS以外のモノ作り分野に多くの道があるのだ。だから将来に不安がある生徒の多くが妥協の道を辿る。
夕貴もそんな人間の一人だ。更識楯無を筆頭とするトップランカー達に追いすがるだけの実力がなく、無難な道を行くことに決めた、ある種堅実な生徒である。実際2年生で整備班に参加できる人間はそれなりの実力を求められるので、整備課の中でも優秀な部類に入る自負もあった。
しかし、整備という仕事は華が無い日陰者の仕事だ。無論自分の整備したISが立派に空を飛んでいる姿を見ると労働の実感は得られるし、そのISが華々しく活躍している様を見るのも非常に喜ばしく思う。でも、それでもやっぱり思うのだ。「私もあそこで脚光を浴びてみたい」と。この道を選んでしまった自分にとって、あの少女の背中は余りにも眩し過ぎた。
そんな思いを胸の奥に隠しつつも見つめていた佐藤の背中がゆらり、と体勢を崩す。
あ、と思った時には手にしていた工具を放り出して彼女に駆け寄っていた。後ろ向きに倒れる華奢な体を作業油で汚れた手で何とか受け止める。整備課で足腰をそれなりに鍛えている恩恵か、将又佐藤が軽いのか(女としては羨ましい限りだ)すんなりと転倒を防ぐことが出来た。
「あれ、まずったなぁ・・・すいません、急に体を動かしたせいでちょっと立ち眩んじゃったみたいです」
恥ずかしそうにはにかむ佐藤の顔に一瞬見入った。なんて可愛らしく笑うのだろう、と。こうして見てみれば先ほどまでの凛々しさや戦闘での勇ましさは鳴りを潜め、一人の等身大の女の子なんだと実感させられた。と同時に「後輩相手に何考えてるんだ」と少しだけ自分が恥ずかしくなり、照れを隠すようにもっともらしい事を言う。
「いや、分かるっすよ。作業してっと知らず知らずのうちに平衡
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