響の夏休み
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のですが、来週の月曜日に響さんの御宅にお邪魔してもよろしいでしょうか?』
「来週? ああ、別に構いやしないぜ」
『そうですか! よかったですわ。では、その日に』
「おう、またな」
響はセシリアとの通話を切ると、軽く息をつきふと、歩みを止める。彼女の視線の先には二人の女の子が仲よさそうに、手をつないで歩いていた。どうやら姉妹の様だ。
その姿を見て響は小さく笑うと、また家に向かって歩き始めた。
響との電話の後、セシリアは頬を緩ませていた。
しかし、そんな彼女から離れることおよそ100m。そこには双眼鏡を片手になにやらマイクな様なものをセシリアに向けているラウラと、シャルロットの姿が見られた。
「ふむ……セシリアは来週の月曜に響の実家に行くようだな」
「だね、ということは僕達も……」
「ああ」
「抜け駆けはゆるさないよセシリア」「抜け駆けは許さんぞセシリア」
二人は不適な笑みを浮かべたままその場から去って行った。
「たでーまー」
投げやりな挨拶と共に、響は玄関の戸を開けた。彼女の手にはコンビニのビニール袋が握られていた。
リビングまでやって来た響は、ソファにすわっている渉がジト目に鳴っていることに顔を引きつらせる。すると、渉は立ち上がり、
「まったくもう。どっか出かけるなら一言言ってよ」
「……まぁそれは、うん。悪かった」
渉の忠告に響は頬を掻きつつ、持っていた袋を渉に渡した。一瞬、キョトンとする渉だが、袋の中身を見ると微笑を浮かべる。
「詫びってわけじゃないが、それなりに心配させちまったみたいだからな。アイス買ってきたんだ。お前好きだろこのアイス」
響が買ってきたのはコンビニでよく売っている、有名なカップアイスだ。
「別に喧嘩したわけじゃないんだから、買ってこなくてもよかったのに。でも、ありがとね」
「おう。そうだ、来週の月曜に友達が来るからな」
「りょーかい。何人ぐらい?」
「今のところは一人だな」
一人という言葉に、渉は響から目線をそらす。
「オイコラ。その変なリアクションはやめろい。別にまだ一人って決まったわけじゃねぇ」
「まぁ私は何人来てもいいけどね。だったらこのプールのチケットは取っておこうか」
「そうだな」
渉が奏嗣の持ってきたリゾートプールのチケットを指で挟みながら告げた。響もまた肩を竦めつつ、それに頷いた。
その後二人はリビングにあるゲーム機で響が今日プレイしてきた格闘ゲームをプレイした。因みに言うと、二人は15回プレイしたが、渉には一回も勝てなかった。
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