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IS-最強の不良少女-
響の夏休み
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た時には既に遅く、既にコマンドを入力してしまい、キャンセルも間に合わない状況だった。

「引っかかったな真琴」

 瞬間、響はすばやくあるコマンドを入力する。そのコマンドから発生する技は、『当て身』攻撃だ。相手からの攻撃を誘い、相手に攻撃されて初めてその効力を発揮する。

 当て身攻撃が発生し、それの直撃を食らった真琴のキャラのHPは大きく削られる。

「んじゃ、次でもう終いにしてやるよ」

 響は言うと、すばやくコマンドを入力し、真琴に反撃の隙を与えず、一気にHPを刈り取った。

 そして表示される『YOU WIN』の文字。真琴はがっくりと肩を落とす。逆に響はゆらりと立ち上がると、画面内のキャラと同じように台詞をもらす。

『「あー……、俺様強すぎてやべぇな!」』

 相手を洋髪するような台詞を吐き、響は、対戦台から退き、自動販売機までいくと炭酸飲料を2本買って戻ってきた。

「ホレ、あんだけ言い合ったんだ。喉渇いたろ」

「……ありがと」

「おう。まぁ私も危なかったけどな。あの当て身入らなかったら、たぶん負けてたのは私の方だろうしな」

 飲み物を口に含みながら、響は呟く。真琴も缶を開け一気に煽る。

「おいおい。炭酸飲料そんな勢いで飲んだら……」

「ゲフゥ……」

「やっぱりな……」

 案の定、真琴が女子にしては、かなりお下劣なゲップをもらした。

 ……奏嗣じゃねぇが、さすがにこれはきついわな。

 呆れ顔のまま真琴を見やると、真琴はジッと響を見つめ、

「次は絶対に負けないから」

「おう。久しぶりにいい戦いができたからな。次も楽しみにしてるぜ」

 響と真琴は互いに拳をぶつけ、それぞれの健闘をたたえた。





「くあー……疲れた」
 
 ゲームセンターからでた響は大きく伸びをする。何故こんなに疲れているかというと、あの後、真琴と共にここにあるゲームの殆どのスコアを塗り変えたのだ。

 しかも、その殆どが到底塗り替えることだできないであろう数値だった。

「目がショボショボする。耳もキンキンするし、真琴のやつアレだけやったのにまだやるとか……タフだなおい」

 まだゲームセンター内にいる真琴に振り返りつつ、響は軽めの溜息を漏らす。

「さて、じゃあそろそろ帰りますかね」

 響は再度大きく伸びをした後、家に向かって歩き出した。

 歩き出してから数分後、響の携帯に連絡が入った。

「あん? セシリア? もすもす?」

『あ、響さんですか? わたくしです、セシリアですわ』

 響の応対にセシリアは少し緊張した声音で返してきた。

「おう、まぁわかってたけど。それでなんか用か?」

『はい。夏休み中な
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