暁 〜小説投稿サイト〜
IS-最強の不良少女-
響の夏休み
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でテメェがここに居やがる響!!?」

「いや、夏休みだし。何処にいようと勝手だろ? それよりも……いやー面白いもん見たなー」

「い、いつから見てやがった!?」

「んー? そら行くぜお前らー!! 走れ走れー!! くらいから」

 それを聞いた琉牙はさらに顔を真っ赤にさせ、地面に四つん這いに膝を突く。するとそれを見た小学生達が駆け寄り、琉牙に声をかけた。

「タマちゃんだいじょうぶかー?」

「なータマちゃーん? サッカーはやくしようぜー?」

「つーか顔まっかじゃん!?」

 ……タマ?

「うあっ!? ばっ!! おまえらその呼び名で呼ぶんじゃねぇ!!」

 小学生の声に琉牙はさらに、狼狽した様子で慌て始める。それを見ながら響は小学生達に聞く。

「なぁお前等。さっきからコイツのことタマちゃんって言ってるけどなんでだ?」

「だってタマちゃんの名前だもん。時鐘珠子(ときかねたまこ)って言うんだぜ」

「そっか……」

 それを聞いた響は涙目になっている琉牙、もとい珠子の肩にやさしく手を添えながら、

「まぁ……しゃーねぇって」

「うおおおあうえおあー……」

 珠子は目から大粒の涙を流しながらがっくりと肩を落とした。

 その後、一旦小学生を捌けさせた響は珠子とともに、元の木陰に戻っていった。





「ぐすっ……ずびっ……」

「いい加減泣き止めよー。しゃーねーじゃんいつかはばれる事だって」

 木陰に腰を下ろしてから数分間、珠子はずっとしゃくりあげている。途中、響が飲み物を買って与えてみたのだが、いっこうに手をつけようとしない。

「別に珠子って名前もいいと思うけどなー」

「……うっさい。だまってろ、もう終わりだ……テメェなんかにばれたらもうお終いだ」

「別に誰にも言いやしねぇよ……。つか、そんなこと言ったってしょーもねぇだけだろうが」

 やっとこさしゃべり始めた珠子の頭に手を乗せながら、響は嘆息する。珠子もいい加減泣き飽きたのか、目をぐしぐしと乱雑に拭い。響の方をキッと睨むと、宣言した。

「いいか響! このこと絶対に言うんじゃねぇぞ!? もし入ったらお前あれだ……とにかくひどいかんなあああああ!!」

 珠子はそれだけいうと、脱兎の如く逃げ出してしまった。

 それを肩を竦めながら見送る響は小さく溜息をつくと、

「だからいわねぇって。そしてちゃっかり飲みもんは持ってくのな……。まっ私があげたからいいんだけどさ」

 そういうと響もまた立ち上がり、軽く埃を払うと小さくあくびを浮かべ公園内から出て行った。





公園から立ち去った響は、市内にあるゲームセンターに立ち寄った。こちらも夏休みというこ
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