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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第4話:ハイジャック事件−4
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ティアナに話したのとは違い、詳細にまで細かく話していく。
途中でコーヒーを持った女性局員が入ってきて中断し、
また時折クロノが質問し、作戦全体についてはゲオルグが、
次元航行船内部の様子についてはチンクが答えるということを繰り返し、
ゲオルグがすべてを説明し終えるまでにたっぷり1時間はかかった。

報告を終えたゲオルグがテーブルの上に報告書の束を置くと、
クロノは大きく息を吐いてソファの背にもたれかかった。

「人質にも局員にも死者を出さずに、無事作戦を完遂してくれてよかったよ。
 2人ともご苦労だったな」
 
「ありがとうございます。 少将のお言葉はウチの連中にも伝えておきます」

「そうしてくれ」

クロノは微笑を浮かべて頷いたあと、身を起こして再び真剣な顔になる。

「ところで、捜査はどうなっているんだ?
 今わかっている範囲でいいから教えてくれ」

クロノが言うと、ゲオルグは神妙な顔で頷いた。

「はい。 昨日のうちに連中の身元を洗うためにDNAをもとにした
 身元検索を完了し、それをもとに今取り調べを行っている最中です」

「そうか。 それで連中はどういう奴らなんだ?」

「3年前に行われた討伐作戦の結果壊滅した海賊グループの生き残りです」

クロノの問いにゲオルグが答えると、クロノは眉間にしわをよせる。

「海賊グループだって? それは意外だな」

「ええ、俺もティアナも同感です。 なので外部の扇動者がいた可能性を
 考えています」

「扇動者・・・か」

クロノはそう呟くと腕組みをして目を閉じた。
クロノが考え込んでいるあいだにゲオルグは目の前にあるカップに手を伸ばし
その中身をあおった。
だが、コーヒーはすでに冷めきっていて、ゲオルグは口を付けた瞬間に
顔をしかめ、中身を飲みきらずにカップを置いた。

「それは、手段と目的のバランスを考えてのことだろう?
 だが、プロフェッショナルな連中が開いてならともかく、
 元海賊グループみたいな連中が論理的な行動をするとは限らないんじゃないか?」

「確かに。 ですが、ミッドの中央次元港の警備はそんなに
 甘いもんじゃないですよ。 海賊グループにいたような大雑把な連中が
 武器を持ったまま抜けられるほど甘くないはずです。
 なら、ノウハウを持った誰かがアドバイスしたと考えるのが妥当です。
 もちろん、偶然が重なって・・・ということも考えられますがね。
 いずれにせよ、もう少し捜査を進めないことにはなんとも言えません」

「そうだな。 よし、引き続き頼むよ」

「了解です。 それでは・・・」

失礼します、と続けようと立ち上がりかけたゲオルグとチンクを
クロノは手で制する。

「待
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