第4話:ハイジャック事件−4
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を合わせる。
「これは意外なお言葉。 チンク2尉は俺のことを嫌っていると思ったけどな」
「そんなわけないだろう。 誰が嫌いなヤツからの誘いを受けるものか」
ゲオルグがニヤリと笑って言うと、チンクは表情を変えずに答えた。
間をおかずヘリはわずかな衝撃とともに着陸する。
すぐさま待機していた局員たちがヘリに駆け寄ってきてドアを開けた。
「シュミット2佐、チンク2尉。 お待ちしていました。
少将のところまでご案内します」
「頼みます」
案内の局員に先導されて、2人は屋上から降りてエレベータに乗り込む。
しばらくしてエレベータが止まりドアが開くと、案内の局員に続いて
ゲオルグたちも白い壁に囲まれた通路へと出る。
そして1枚の扉の前で彼らの足が止まった。
「少将、特殊陸戦部隊長をお連れしました」
『ご苦労。 通してくれ』
クロノの声がドアの脇にあるパネルから響き、同時にドアが開いた。
「どうぞ」
案内役の言葉に頷くとゲオルグは部屋の中へと足を向ける。
部屋の奥にある大きな机の向こうで紺色の制服を着た男が立ち上がる。
「よく来た。 少し早かったな」
「少将をお待たせするわけにはいきませんから」
ゲオルグが真顔で答えると、クロノは呆れたように苦笑する。
「よく言うよ。 しょっちゅう約束の時間に遅れてくるくせに」
「それは車で来るときですよね。 この辺は渋滞がひどくて・・・」
「その言い訳は聞きあきたよ」
クロノは手を振りながらそう言ってゲオルグの言葉を遮ると、
傍らに立つチンクに目を向けた。
「ようこそ、チンク。 ここで会うのは2回目かな?」
「ええ。 少将に誘っていただいたとき以来です」
チンクはそう言ってクロノに向けて笑いかける。
「普段、ゲオルグが連れてくるのはフォッケ3尉だったはずだが、
今日はなぜ君が?」
「フォッケは今日一日研修だったので、代わりに私が」
「なるほど。 まあ、このメンバーだからリラックスしてくれればいい」
「ありがとうございます」
チンクはそう言ってクロノに向けて軽く頭を下げる。
チンクが頭をあげると、クロノはゲオルグとチンクに部屋の中にある
ソファに座るように言う。
そして机の上のパネルに手を伸ばすと、従卒を呼び出しコーヒーを3杯
持ってくるように告げ、ゲオルグたちが座っている向かい側に腰を下ろした。
「では、本題に入るとしようか。 まずは昨日の戦闘について報告を頼む」
クロノが真剣な表情を作ってゲオルグに報告を促すと、
ゲオルグも顔を引き締めクロノに向かって頷く。
「わかりました」
そう言ってゲオルグは話を始める。
1時間ほど前に
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